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獅子身中の虫(しししんちゅうのむし)
古来より、人は自らの教訓を言葉で残し、古人の知恵や経験を「故事成語・ことわざ」として現代に伝えてきました。
その中から、時を超えて、人生に様々な示唆を与えてくれる「故事成語・ことわざ」を独断と偏見で選んでみました。きっとビジネスだけでなく、人生においても参考になるでしょう。
今回選んだのは、
獅子身中の虫(しししんちゅうのむし)
という大乗仏教の経典の一つ「梵網経」が出典の故事成語です。
「獅子身中の虫(しししんちゅうのむし)」とは
「獅子身中の虫(しししんちゅうのむし)」とは、
「組織などの内部にいながら害をなす人」を指す言葉です。
では、出典となった「梵網経」の一節を見てみましょう。
若仏子、好心を以て出家せるに、
名聞利養の為に、国王・百官の前に於て、七仏戒を説くは、
横に比丘・比丘尼の菩薩弟子の与に、繁縛の事を作すこと、
師子身中の蟲の、師子の肉を食ふが如し。
名聞利養の為に、国王・百官の前に於て、七仏戒を説くは、
横に比丘・比丘尼の菩薩弟子の与に、繁縛の事を作すこと、
師子身中の蟲の、師子の肉を食ふが如し。
とあり、現代文に訳すなら、
なんじ仏弟子達よ、志を持って出家するのに、
自分の名誉や虚栄心のために国王や官僚の面前で「七仏戒」を説くのは、
出家している僧侶や尼僧に対して邪魔をすることで、
あたかも獅子の体内に入り込んだ害虫が、
獅子の肉を食らうようなものである。
自分の名誉や虚栄心のために国王や官僚の面前で「七仏戒」を説くのは、
出家している僧侶や尼僧に対して邪魔をすることで、
あたかも獅子の体内に入り込んだ害虫が、
獅子の肉を食らうようなものである。
といった感じになります。
「味方に敵あり」という言葉もありますが、「獅子身中の虫」のように組織や集団に災いをなす人は残念ながら一定度います。
企業を組織論的に考えると、こうした「獅子身中の虫」のように振る舞う人をいかに少なくして、前向きな改善議論に持っていけるかがポイントになるでしょう。