話題となった豊洲移転問題で、都議会が百条委員会を設置することになりました。そこで今回は、この「百条委員会」について見てみることにしましょう。
百条委員会とは、都道府県や市町村といった地方自治体が、地方自治法100条に基づいて、地方議会の議決により設置する特別委員会の1つです。地方自治法100条からこの百条委員会という名称になったと言われています。地方自治体が不祥事を起こしたり何らかの疑惑が浮上した場合に、法律に基づいてその不祥事や疑惑を調査し罪を明白にさせる特別委員会が「百条委員会」といってよいでしょう。
百条委員会の特徴としては、普通の委員会よりももっと調査権限が強いことが挙げられます。
百条委員会の調査には、関係者の出頭や証言や記録の提出を請求することが出来ます。出頭や証言や記録の提出を拒否したり、虚偽の証言をしたりすれば、禁固刑や罰金刑に処せられてしまいます。
百条委員会は、話題になった“疑惑”で設置を検討されますが、次に百条委員会の設置について話題になった事例を見てみましょう。
1つ目は猪瀬元都知事に関する疑惑です。猪瀬氏の都知事就任の前に、医療法人徳洲会グループから多額のお金を受け取っていた疑惑がスクープされ、公職選挙法違反疑惑、政治資金規制法違反疑惑、収賄罪などに問われました。
2つ目は、まだ記憶に新しい舛添前都知事についての疑惑です。2016年に舛添前都知事の政治資金私的流用疑惑が週刊文春によりスクープされました。海外出張費がかかり過ぎていたり、家族旅行の費用を政治資金から出したことや、他にも様々な疑問点があり批判が相次ぎました。
これらの疑惑に対して、都議会では百条委員会を設置する方針で準備が進められていました。しかし、猪瀬、舛添の両氏共、百条委員会が開かれる前に自ら辞任を決意することになりました。このように委員会を設置され調査されるくらいなら自ら退こうという意志が働く程、百条委員会の調査権限は通常の委員会よりも強いのです。
百条委員会では、お金は何に使ったのか、使途不明金は何なのか、など疑惑に関わる内容が詳しく調査されます。今回、百条委員会の設置が検討されている豊洲移転問題では是非徹底的に調べ上げて、このような事態になった経緯を都民そして国民に開示して欲しいものです。