益者三楽(えきしゃさんごう)
古来より、人は自らの教訓を言葉で残し、古人の知恵や経験を「故事成語・ことわざ」として現代に伝えてきました。
その中から、時を超えて、人生に様々な示唆を与えてくれる「故事成語・ことわざ」を独断と偏見で選んでみました。きっとビジネスだけでなく、人生においても参考になるでしょう。
今回選んだのは、
益者三楽(えきしゃさんごう)
という中国の有名な古書「論語」が出典の故事成語です。
「益者三楽(えきしゃさんごう)」とは
「益者三楽(えきしゃさんごう)」とは、
有益な三つの楽しみのことで「第一に礼楽に親しみ調和のとれた暮らし。第二に人の美点を話題にする。第三は立派な友を多く持つこと」を指します。
では、出典となった「論語」の一節を見てみましょう。
孔子曰く、
益者三楽、損者三楽。
礼節を節せんことを楽しみ、人の善を道うことを楽しみ、賢友多きを楽しむは益なり。
驕楽を楽しみ、佚遊を楽しみ、宴楽を楽しむは損なり。
益者三楽、損者三楽。
礼節を節せんことを楽しみ、人の善を道うことを楽しみ、賢友多きを楽しむは益なり。
驕楽を楽しみ、佚遊を楽しみ、宴楽を楽しむは損なり。
これを現代文に訳してみると
孔子が言うには、
荒人生において有益な楽しみが三つある。一方、有害な楽しみも三つある。
礼楽に親しみ調和を楽しみ、人の美点を話題にすることを楽しみ、学徳の優れた友が多くいることを楽しむのは有益である。
驕り高ぶり欲を楽しみ、怠けて遊ぶのを楽しみ、酒色にふけるのを楽しむのは有害である。
荒人生において有益な楽しみが三つある。一方、有害な楽しみも三つある。
礼楽に親しみ調和を楽しみ、人の美点を話題にすることを楽しみ、学徳の優れた友が多くいることを楽しむのは有益である。
驕り高ぶり欲を楽しみ、怠けて遊ぶのを楽しみ、酒色にふけるのを楽しむのは有害である。
といった感じになります。
何事も驕らず、欲をかかず、良き友を持つ。
それを常に心がけることが「益者三楽」への道につながるのだと思います。