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笑裏蔵刀(しょうりぞうとう)〜 兵法三十六計
兵法三十六計とは、中国の三国時代以降に生まれた兵法書で、宋の名将 檀道済がまとめたと言われています。
そして「兵法三十六計」に書かれた故事や教訓は、単なる兵法ではなく処世術としても活用され、広く知られるようになっています。そういった意味では「兵法三十六計」を知ることで、現代の人たちにとっても人生の参考になるのではないでしょうか。
今回選んだのは、兵法三十六計の第十計
「笑裏蔵刀(しょうりぞうとう)」
です。
「笑裏蔵刀(しょうりぞうとう)」とは
「笑裏蔵刀」とは、
「相手に対し、まず友好的にへりくだった態度をとり、相手を油断させた後に隙を突いて攻撃を行う」計略のことです。
「笑裏蔵刀」の話
中国の春秋時代後期、越王であった勾践は、呉王の夫差によって会稽山に包囲され、滅亡の危機に追い詰められましたが、夫差の側近に賄賂を送って取り入り、降伏が許されました。
その後、勾践は夫差の召使いにされるなどの苦労を経ながら、次第に夫差の警戒を解き、ついには越に帰国が許されます。越に戻った勾践は、国力増強に努め、日々苦い肝を天井から吊るして舐めることで屈辱を忘れず、ついには会稽山で敗れてから20年後、夫差が諸侯との会盟で出た隙に呉に攻め込み、滅ぼすことに成功しました。
この話は、有名な故事成語「臥薪嘗胆」や「会稽の恥」の語源としても知られています。
このように、へりくだった態度の裏には「笑裏蔵刀」のように他に狙いがある場合もあります。必要以上にへりくだった相手には、奥に他に真意が潜んでいないか、疑うことも時には必要なのかもしれません。
一方、職業柄色々な中小企業を訪問することが多いのですが、現代のビジネスシーンでも、狙いのあるなしは関係なく、力のある会社の経営者・担当者は、その力を誇示せず、謙虚に振る舞うのが多いように思います。謙虚な気持ちや笑顔で接することは、相手の警戒心を解き、仕事上でも大きなプラスになるということは覚えておくべきでしょう。