森友学園問題について先日記事を書きました。そのうち消えて無くなるような話だと思っていましたが、ここ数日、急展開を見せています。
【過去記事:森友学園問題を時系列で検証してみた】
森友学園問題で過去起きた事象を時系列にまとめてみると、「国有地がなぜか格安で払い下げられ、そこには政治家の口利きがあったに違いない!」という先入観で捉えると、事の真相が見えてこないように思います。
森友学園問題の真相は、近畿財務局なり財務省の側が特定有害物質の汚染地域に指定された国有地を体良く処分しようとしていたところが見え隠れする点は若干気に掛かりますが、マスコミや民進党・共産党の想像しているような政治家がらみの大疑獄事件などではないでしょう。
森友学園については単純に資金が足りないにもかかわらず小学校を立てようとして、難ありの土地に手を出した「安物買いの銭失い」的な事案でしょうし、籠池理事長については小学校開設という一大事業を機にできるだけ多額の事業資金を引っ張ろうとした事案、といったところだと思います。
森友学園や籠池理事長がそうだとは言いませんが、経営に行き詰まりつつある時に経営者が他人の資金提供を期待して新たな事業をブチ上げることがあります。そんな場合、政治家・芸能人などの著名人を持ち出して「虎の威を借る狐」状態で出資や寄付を募るケースは定番だったりするわけです。
森友学園や籠池理事長がそれに該当するかはわかりませんが、森友学園や籠池理事長の既存事業は順風満帆だったようにも見えませんので、今回の「森友学園騒動」は籠池氏が資金面から色々と足掻く中で起きた事案だったことは間違い無いでしょう。
このように“疑獄事件”にもなりそうにない“森友学園問題”に民進党や共産党などの野党が飛びついて早一ヶ月が経とうとしているわけですが、孤立無援の籠池氏にノイホイこと活動家 菅野完氏が接近し、民進党・共産党・社民党が追求していたはずの籠池氏を庇護するという「敵の敵は味方」的な事態になってきています。
そして、その過程で証拠のない“爆弾”がマスコミ経由でばらまかれ、結果として籠池氏は政権側を敵に回した形で偽証罪が適用される証人喚問を受けることになってしまいました。
現在の籠池氏を取り巻く状況を見ると、おそらくこの先も小学校は認可されないでしょうし、そうなると契約上は完成間近な校舎を取り壊して土地を財務省に戻す必要があります。校舎を取り壊して原状回復をする費用は籠池氏(森友学園)側の負担で、更に、10数億〜20数億円と言われる校舎自体の建設費用を施工業者へ支払う必要もあります。
孤立無援状態の籠池氏がいかに民進党や共産党に庇護を求めても支払いは解決すると思えず、籠池氏・森友学園の既存事業で支えきれるとは思えませんので、早晩“破産”ということになるしか道はなさそうです。
こんな状態で籠池氏は証人喚問を受けることになるわけですが、証人喚問の場で世論の納得のいくような話ができなければ、活動家の菅野完氏、予算審議の場である通常国会で延々と“森友学園問題”を提起し続けてきた民進党や共産党は“フェイクニュース”の発信者となるわけで、籠池氏は菅野完氏・民進党・共産党を道連れにして退場することになるでしょう。
ちなみに“森友学園問題”の質疑が続く通常国会の会期は150日間ですが、すでに1/3の日程を経過したにも関わらず、補正予算が成立したのみで、残り63本の法案は審議されず放置されています。通常国会は大切な予算案を審議する場ですので、50日間以上も政策に関わる国会質疑はゼロ状態で“森友学園問題”に血道を上げる民進党には、野党第一党として猛省を促したいところです。
国会運営にもコストが掛かっており、そもそも日本には課題が山積していますので、議案の優先順位を付け、将来を見据えた議論をしてもらいたいと思います。