覆水盆に返らず

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覆水盆に返らず

覆水盆に返らず(ふくすいぼんにかえらず)

古来より、人は自らの教訓を言葉で残し、古人の知恵や経験を「故事成語・ことわざ」として現代に伝えてきました。

その中から、時を超えて、人生に様々な示唆を与えてくれる「故事成語・ことわざ」を独断と偏見で選んでみました。きっとビジネスだけでなく、人生においても参考になるでしょう。

今回選んだのは、

覆水盆に返らず(ふくすいぼんにかえらず)

という古代中国 周の軍師として知られる太公望の話が出典の故事成語です。

「覆水盆に返らず(ふくすいぼんにかえらず)」とは

「覆水盆に返らず」とは、
一度こぼれた水は、二度と元の入れ物には戻らないということから「一度起きてしまったことは二度と元には戻らない」と言う意味で使われます。

では、出典となった太公望の話の一節を見てみましょう。

呂尚初め馬氏を娶る。書を読みて産を事とせず、馬去るを求む。
呂尚斉に封ぜられ、馬再び合せんことを求む。
呂尚、水一盆を取り地に傾け、婦をして水を収めしめ、惟だ其の泥を得たり。
呂尚曰く、若し能く離れて更に合ふ、覆水定めて収め難しと。

とあり、現代文に訳すなら、

呂尚(太公望)は馬氏と結婚した。呂尚は、本ばかり読んで、仕事をしなかったので、妻の馬氏は離婚を申し出て別れた。
その後、呂尚が出世して斉の王になると、馬氏は復縁をせまった。
呂尚は盆に入った水を地面にこぼして、水を盆に戻させたが、盆の上は泥ばかりだった。
それを見た呂尚は「一度起きてしまったことは、二度と元には戻らないものだ」が言った。

といった感じになります。

ビジネスにおいて、基本的には失敗は恐れず何事もチャレンジするべきですが、一方において「覆水盆に返らず」になるケースもあります。

闇雲にチャレンジするのではなく、あらかじめ起こりうることは想定し、対処法を考えておくようにしましょう。

 

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