資本効率性分析とは
会計の分野で用いられるワードに、資本効率性分析という言葉があります。会計に携わったことのない人であれば聞き馴染みのないワードですが、この資本効率性分析とは、企業が投資した資本がどれほど効率的に活用され、売上や利益に繋がっているかを分析することで、資本効率性分析は、会社の運営状態のチェックに用いられます。
資本効率性分析を行う際は、賃貸貸借表と損益計算書を用います。資本効率性分析による数字が大きければ、より効率的に資本を活用してアウトプットを生み出していることになり、逆に数字が小さければあまり効率的な活用が出来ていないということになります。やはり数字が大きいほうがいいという水準が一般的ですが、やみくもに大きければいい、ということでもありません。
例えば、製造業などの在庫を保有するビジネスの場合、あまり在庫を削りすぎてしまうとリスクを持つため、ある水準をキープし続けている状態が最もいいとされています。この時のリスクとは、例えば災害などがあった場合に在庫を削りすぎるとビジネスが成り立たなくなる、などのことを指します。こういったリスクはどのような業種にもあることなので、注意しなければなりません。
このように、資本効率性分析による数値水準はその会社の業種によって異なるため、一概に言うことは難しいです。
また、この資本効率性分析にはさまざまな指標があります。例えばよく使うのが、有形固定資産回転率です。この数字が大きければ少ない有形資産でアウトプットを生み出していることになります。物には有形と無形の2つの種類があり、ITやサービス業などは無形資産が多いですが、多くの業種はこの有形資産が多くを占めます。
次に、売上債権回収日数があります。これは、得意先から会社の運営資産を素早く回収できていることを指します。それにより、運転資産を効率的に活用していることを指します。
これらの指標を組み合わせることで、その会社が資産をうまく活用できているかどうかをチェックすることができます。1つの指標による分析だけでは表面的な分析しかできないため、複数の指標の分析を組み合わせることが大切です。
資本効率性分析で用いる指標は、会社が安全に運営できているかどうかを確認するためのもので、毎年会計士がチェックを行います。このような会計上のチェックは会社にとって必要不可欠なものです。