逸を以って労を待つ

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逸を以って労を待つ

逸を以って労を待つ

古来より、人は自らの教訓を言葉で残し、古人の知恵や経験を「故事成語・ことわざ」として現代に伝えてきました。

その中から、時を超えて、人生に様々な示唆を与えてくれる「故事成語・ことわざ」を独断と偏見で選んでみました。きっとビジネスだけでなく、人生においても参考になるでしょう。

今回選んだのは、

「逸を以って労を待つ」

という中国の有名な兵法書「三十六計」が出典の故事成語です。

「逸を以って労を待つ(いつをもってろうをまつ)」とは

「逸を以って労を待つ」とは、
自分の側が主導権を持ち、相手側が動かなければならないように仕向けて、疲労と物資の浪費を誘う」という意味になります。

「逸を以って労を待つ」には「損剛益柔」という言葉が大きく影響していると言われていますが、

「損剛益柔」とは

強大で攻勢をかける者は、力は大きいがその分消耗も大きく、衰弱による失敗の要素と表裏一体である。寡少で守る者は、一見軟弱に見えるが、敵の力を削いで自らの力を蓄える意味では、強大になり勝利する要素も併せ持っている。

という意味の言葉になります。

ライバルを打ち負かすのに、必ずしも真っ向から戦うを繰り広げることだけが選択肢ではありません。強敵であれば、わずかな労力で相手をけん制したり、振り回したりと撹乱させて力を削ぐ方法を考え、自らはその間に力を蓄えるようにすべきです。

そして「逸を以って労を待つ」間に相手側に弱点が生まれた時、その弱点を攻めるようにすれば、戦って敗れることはないでしょう。

 

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