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邯鄲の歩み(かんたんのあゆみ)
古来より、人は自らの教訓を言葉で残し、古人の知恵や経験を「故事成語・ことわざ」として現代に伝えてきました。
その中から、時を超えて、人生に様々な示唆を与えてくれる「故事成語・ことわざ」を独断と偏見で選んでみました。きっとビジネスだけでなく、人生においても参考になるでしょう。
今回選んだのは、
邯鄲の歩み(かんたんのあゆみ)
という中国の古書「荘子」が出典の故事成語です。
「邯鄲の歩み(かんたんのあゆみ)」とは
「邯鄲の歩み(かんたんのあゆみ)」とは、
「むやみに人まねをして、結局は自分の本分も忘れて中途半端になる」という意味で使われます。
ちなみに出典となった「荘子」の一節を見てみると、
且つ子独り夫の寿陵の余子の行を邯鄲に学びしを聞かずや。
未だ国能を得ず、又其の故行を失う。
直に匍匐して帰るのみ。
未だ国能を得ず、又其の故行を失う。
直に匍匐して帰るのみ。
となりますが、現代文に訳すなら、
燕の国 寿陵の青年が都会の歩き方を学ぶために趙の国の都 邯鄲へ行ったが、都会の歩き方を会得できず、自分のもともとの歩き方も忘れてしまった。
その結果、這って故郷に帰ったという。
その結果、這って故郷に帰ったという。
といった感じになります。
ビジネスにおいても、よく人の成功を見て、自分も同じことをしようと思う人がいます。他人の良いところを吸収すること自体は正しいことだと思いますが、自分なりによく咀嚼(そしゃく)をせず、単なる人真似では上手くいかないばかりか、元々の本業までダメにしてしまうケースもたまに見かけます。
「よそで上手くいっているビジネスモデルだからといって、単純に自社に持って来ても必ずしも上手くいくとは限らない」ということは、意外に見落としがちなポイントです。ビジネスにおいては、単なる人真似ではなく、自社なりのアレンジが必要と言えるでしょう。