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金蝉脱殻(きんせんだっこく)〜 兵法三十六計
兵法三十六計とは、中国の三国時代以降に生まれた兵法書で、宋の名将 檀道済がまとめたと言われています。
そして「兵法三十六計」に書かれた故事や教訓は、単なる兵法ではなく処世術としても活用され、広く知られるようになっています。そういった意味では「兵法三十六計」を知ることで、現代の人たちにとっても人生の参考になるのではないでしょうか。
今回選んだのは、兵法三十六計の第二十一計
「金蝉脱殻(きんせんだっこく)」
です。
「金蝉脱殻(きんせんだっこく)」とは
「金蝉脱殻(きんせんだっこく)」とは、
「相手が優勢な時、ひそかに主力を他に移して相手を惑わせる」計略のことです。
「金蝉脱殻」の話
項羽と劉邦が戦った楚漢戦争において、項羽の大軍に包囲された劉邦は、参謀であった陳平の献策を採用して項羽に降伏を申し出ました。しかし、この降伏は計略で、まず城の東門から婦女子を出したことで、敵兵が見物に集まって大混乱。その隙に劉邦軍は反対の西門から脱出に成功し、項羽が城内に入った時には“もぬけの殻”だったそうです。
「金蝉脱殻」そのものの局面は、現代のビジネス上ではあまりありませんが、相手が強大でまともにぶつかっても勝ち目がない時に、勝負を掛けず会社のリソース(ヒト・モノ・カネ)を温存したり、自社が不利なマーケットから勝てそうなマーケットへリソースを移動させる「一点突破」を目指すことは、中小企業にとって大切な考え方だと思います。