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韓信の股くぐり(かんしんのまたくぐり)
古来より、人は自らの教訓を言葉で残し、古人の知恵や経験を「故事成語・ことわざ」として現代に伝えてきました。
その中から、時を超えて、人生に様々な示唆を与えてくれる「故事成語・ことわざ」を独断と偏見で選んでみました。きっとビジネスだけでなく、人生においても参考になるでしょう。
今回選んだのは、
「韓信の股くぐり(かんしんのまたくぐり)」
という故事成語です。
「韓信の股くぐり(かんしんのまたくぐり)」とは
「韓信の股くぐり(かんしんのまたくぐり)」とは、
「大志を抱く者は屈辱にもよく耐える」と意味です。
劉邦の天下統一に貢献し、漢の三傑と言われる名将の韓信ですが、若い頃、街の若者に「お前は図体が大きく、腰に剣を刺しているが、実際は臆病者は違いない。もし違うのなら俺を切ってみろ。できないなら俺の股の下をくぐれ」と喧嘩を売られたそうです。
それを聞いた韓信は黙ってその男の股の下をくぐったというのが「韓信の股くぐり」の由来です。
股の下をくぐった韓信を周囲は臆病者と笑いましたが、韓信自身は「自分には大きな志があるのに、この男を斬ったら、その志が台無しになる」と股をくぐることを選んだのです。
【参考記事:井陘の戦い|韓信の勝因と趙軍の敗因】
世の中には、人を非難したり、誹謗中傷する人たちがいます。時には理由なくバカにされることもあるかもしれません。
そういった時、ムキになって反論するのか、じっと耐えて我慢できるのかの分かれ道は、自分の将来成し遂げたい大きな志の有無なのかもしれません。