驕れる者久しからず

故事成語 故事成語・ことわざ

驕れる者久しからず

驕れる者久しからず(おごれるものひさしからず)

古来より、人は自らの教訓を言葉で残し、古人の知恵や経験を「故事成語・ことわざ」として現代に伝えてきました。

その中から、時を超えて、人生に様々な示唆を与えてくれる「故事成語・ことわざ」を独断と偏見で選んでみました。きっとビジネスだけでなく、人生においても参考になるでしょう。

今回選んだのは、

驕れる者久しからず(おごれるものひさしからず)

という日本の古書「平家物語」が出典の故事成語です。

「驕れる者久しからず(おごれるものひさしからず)」とは

「驕れる者久しからず(おごれるものひさしからず)」とは、
平家物語の冒頭の一節「驕れる人も久しからず」にちなみ「地位や財力を鼻にかけて、思い上がった振る舞いをする者は、長く栄えることなく滅びる」という意味で使われます。

ちなみに出典となった「平家物語」の一節を見てみると、

祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。驕れる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。たけき者も遂にはほろびぬ、ひとへに風の前の塵に同じ。

となりますが、現代文に訳すなら、

祇園精舎の鐘の音は、諸行無常の響きを感じる。沙羅双樹の花の色は、栄華を極めた者も必ず衰えるという道理を示している。おごり高ぶっている人の栄華も長く続くものではなく、まるで覚めやすい春の夜の夢のようである。勢いが盛んな者も結局は滅亡してしまうのは、風の前の塵と同様である。

といった感じになります。

人生には必ず波があります。人は、調子が良い時には、えてして自分一人の手柄のように思って思い上がった言動をしてしまいがちですが、いつまでも調子の良い時期は続きません。良い時期の振る舞い方、あるいは悪い時期の振る舞い方が、次の転機での没落・飛躍を左右することを忘れず、謙虚さを身につけるようにしなければなりません。

 

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