「鳥越俊太郎の女子大生淫行」疑惑と危機管理対応

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「鳥越俊太郎の女子大生淫行」疑惑と危機管理対応今回は、スキャンダルが起こった時の危機管理対応について考えてみたいと思います。

皆さんもご存知の通り、東京都知事選挙において、民進党・共産党など野党4党の統一候補である鳥越俊太郎氏に、選挙戦も中盤となる7/20、女子大生に対する淫行疑惑 が浮上しました。世間で言う「文春砲」を鳥越俊太郎氏が浴びた形です。

鳥越俊太郎の女子大生淫行

選挙というと、候補者の真偽がわからないソース不明の醜聞・スキャンダルが出てきがちで、今回の週刊文春による「鳥越俊太郎の女子大生淫行」疑惑もその手のものと同類なのかもしれません。しかし、選挙活動期間中に週刊文春のような大手紙が選挙妨害とも取られかねない憶測記事を出す可能性は低く、信じるに足る確証があったと考える方が良さそうです。実際、週刊文春側も「記事には十分自信を持っている」とコメントしています。

一方、疑惑報道を受けた鳥越俊太郎氏側の反応ですが、発覚・報道から丸一日が経った現在でも「事実無根」とコメントするだけに留まっています。ご存知の通り、鳥越俊太郎氏はニュース番組の司会も務めたジャーナリストです。当然、「公人」の市民に対する説明責任や、市民の知る権利が非常に大切ということわかっているとは思うのですが・・・。

7/22:追記
7/21の演説後、鳥越俊太郎氏は記者団の囲み取材を受け、「事実無根なのできちっと法的措置を取る」「弁護士が窓口になっているので、弁護士に聞けば答える」といった趣旨の話をしました。一方、鳥越俊太郎氏の弁護団は「週刊文春を告発したこと」「女子大生に対する淫行疑惑の件での 会見は開かない こと」を明らかにしています。

ちなみに、危機管理対応の観点から考えると、こういった不祥事・疑惑については、市民・国民が知りたいことを「素早く」「的確に」「真実を逃げずに伝える」必要があります。さらに、今回の「鳥越俊太郎氏の女子大生淫行疑惑」の場合、東京都知事選に有力候補として出馬しているのですから、渦中の当事者として有権者が判断できる情報を提供する義務もあります。

鳥越俊太郎氏陣営は週刊文春側を雑誌発行日当日に告訴しましたが、第一にやるべきは告訴ではなく、有権者でもある都民・市民への説明だったのではないでしょうか?

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しかし、鳥越俊太郎氏側が主張する「事実無根なので法的措置を取った」だけでは、市民の知りたい内容に、実は答えられていません。今回の淫行疑惑であれば、当該の女子大生は鳥越俊太郎氏と面識があったのか、面識があったのであれば、どういったきっかけで知り合い、どういった関係であったのか、そして、どういった点が事実無根なのか、を明らかにして事実無根を訴えるべきでした。

さらに言うなら、市民が真に知りたいことを誠実に伝えていくことこそがジャーナリズムであり、ジャーナリストですが、「ジャーナリスト」である鳥越氏本人が説明責任を果たせていないことで、「人に厳しく他人に甘い」と言われても仕方がないでしょう。

今回の鳥越俊太郎氏の「女子大生淫行」疑惑に限らず、こういった不法行為・不祥事系の「疑惑」については、真偽について第三者にわかるように誠実に答えない場合、より大きく「疑惑」が拡大し、当事者に大きなダメージを与えることが往々にしてあります。

鳥越俊太郎氏の今回の一連の対応は、報道のプロであるジャーナリストらしからぬミスを連発しており、また、危機管理対応能力が求められる自治体の首長としての資質が問われるでしょう。このミスの代償は鳥越俊太郎氏だけでなく、鳥越俊太郎氏を都知事候補として押す民進党や共産党などの野党4党にとって高いものになりそうです。