65歳超雇用推進助成金とは?

士業 経営に役立つ用語

65歳超雇用推進助成金とは?少子高齢化による労働力不足の問題が深刻化していることもあり、まだ十分働ける労働者が定年によって離職することを防ぎ、労働人口を確保しようという動きが出てきています。

日本老年学会・日本老年医学会は「高齢者」の定義を現在の65歳以上から75歳以上としようという提言を行って注目を集めました。いまや65歳という年齢は高齢者とは呼べなくなっており、労働者としての役割が大変期待されています。

そんな中、2016年から施行された65歳超雇用推進助成金とは、現行の定年制度の見直しや廃止を行った事業者に助成金が支払われる制度です。

65歳超雇用推進助成金が受給できるケースは3つありますが、いずれも現状を上回る制度を導入した場合のみに適応されることがポイントです。この3つのケースとは具体的に「66歳以上の継続雇用制度の導入」、「65歳以上への定年年齢の引上げ」、「定年制度の廃止」の3つです。

支給額は、「65歳への定年の引上げ」の場合100万円、「66歳以上への定年引上げ」及び「定年制度の廃止」の場合120万円、「希望者全員を66歳から69歳まで継続雇用する」場合60万円、「希望者全員を70歳以上まで継続雇用する」場合80万円がそれぞれ助成金として支給されます。(これらのうち複数の要件に該当する場合には該当する最も高額の助成金が支払われます)

65歳超雇用推進助成金が支払われるためには、いくつかの要件を満たす必要がありますが、やや難解な内容になっています。

大きく5つの要件があり、「雇用保険に加入していること」「1年以上雇用されている60歳以上の雇用保険被保険者が1人以上いること」「現状の高年齢者雇用に関する制度が1年以上法律に違反していないこと」「制度変更に費用をかけること」「過去に高年齢者雇用安定助成金のうち定年引上げ等で支給を受けていないこと」です。

いくつかの付帯条件が設定されているため、自分が該当するかどうか確実に把握するためには行政官庁か社会保険労務士などの専門家に相談すると良いでしょう。

現在の中小企業の中には、若手育成に問題を抱える一方、最前線でバリバリ働ける高齢の労働者を定年で失いたくないケースもあると思います。

そういった企業では、65歳超雇用推進助成金の要件となる制度を導入するだけで問題解決とともに助成金も貰えるのであれば、是非とも着手すべきといえます。

助成金制度は施行直後の申請が有利なことはよく知られています。申請してみたいと思っているけれども条件に該当するかどうか不明の場合だと言う場合は一刻も早く専門家に相談してみることをお勧めします。

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