疑えば目に鬼を見る

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疑えば目に鬼を見る

疑えば目に鬼を見る

古来より、人は自らの教訓を言葉で残し、古人の知恵や経験を「故事成語・ことわざ」として現代に伝えてきました。

その中から、時を超えて、人生に様々な示唆を与えてくれる「故事成語・ことわざ」を独断と偏見で選んでみました。きっとビジネスだけでなく、人生においても参考になるでしょう。

今回選んだのは、

疑えば目に鬼を見る

という中国の古書「列子」が出典の故事成語です。

「疑えば目に鬼を見る」とは

「疑えば目に鬼を見る」とは、
一度疑い出すと、何でもない事まで信じられなくなり、恐ろしく感じる」という意味です。

ちなみに出典となった「列子」では、

ある男が鉞(まさかり)を失くしたが、隣の息子を怪しいと思うようになると息子の言動が全て疑わしいと感じるようになった。ところが、ある日、近くの谷底で失くした鉞を発見し、自分が置き忘れたことに気づくと、それ以降は隣の息子の言動を怪しく思うことがなくなった。

という話が書かれています。そして、この話の解説として以下の一節があり、その一節が「疑えば目に鬼を見る」の出典とされています。

諺に曰く、 疑心、暗鬼を生ず、と。
心疑う所有れば、 其の人鉞を窃まずといえども、
我疑心を以て之を視れば、則ち其の件件皆疑うべし。

この解説を現代文に訳すなら、

ことわざに「疑心、暗鬼を生ず」という言葉があるが、心の中に疑う気持ちがあると、本当は鉞を盗んでいなくても、疑心によって、いろいろなこと全てを疑ってしまう。

といった感じになります。

経営者として日々を過ごす中で、一番苦慮するのが「人を信じたり、疑ったりする」ということです。性善説に立ってどんな人でも全て信じてしまうと会社に大きな損失を与えてしまいますが、かといって、社員を含めて疑いも持ち出すと、まさに「疑えば目に鬼を見る」になってしまって上手くいきません。

結局のところは、人を見る目を養って自分の見る目を信じ、欲をかかず冷静に判断した上で、一度信じた人を信じ抜くということに尽きるのですが、言うのは簡単でも実践するのはなかなか至難の技です。

 

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