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画竜点睛を欠く(がりょうてんせいをかく)
古来より、人は自らの教訓を言葉で残し、古人の知恵や経験を「故事成語・ことわざ」として現代に伝えてきました。
その中から、時を超えて、人生に様々な示唆を与えてくれる「故事成語・ことわざ」を独断と偏見で選んでみました。きっとビジネスだけでなく、人生においても参考になるでしょう。
今回選んだのは、
「画竜点睛を欠く(がりょうてんせいをかく)」
という中国の故事にちなんだ故事成語です。
「画竜点睛を欠く」とは
「画竜点睛を欠く」とは、
「物事を完成させるための最後の仕上げを忘れること、または一番肝心な部分が抜けていること」を指します。
中国 南北朝時代の梁の国に張僧という絵師がいましたが、安楽寺というお寺の壁に龍の絵を描きました。今にも飛び立ちそうな素晴らしい出来映えでしたが、なぜか龍の目が描かれておらず、不思議に思った人たちがそのことを尋ねると「瞳を描くと飛び去ってしまうからだ」と張僧は答えました。人々は張僧の言葉を信じようとしなかったので、仕方なく張僧が龍の目を描きいれると、龍はたちまち天に昇ったという話が「画竜点睛を欠く」の元になっています。
ビジネスにおいて「画竜点睛を欠く」という言葉を考えると、全体的には真面目に仕事に取り組んでいても、最後の肝心な部分が雑になってしまっていて残念な仕事ぶりの人を時折見かけます。
例えば、契約の直前までは順調に行くけれど、いざ契約となると、いつも破談になるようなケースです。実は最後の段階こそ最新の注意を払う必要があるのですが、そのことに気付くまで私も数多くの失敗をしたものです。
ビジネスでは、過程よりも結果の方がはるかに重要です。だからこそ「画竜点睛を欠く」ことがないような仕事をしていきたいものです。