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桑を指して槐を罵る(くわをさしてえんじゅをののしる)
古来より、人は自らの教訓を言葉で残し、古人の知恵や経験を「故事成語・ことわざ」として現代に伝えてきました。
その中から、時を超えて、人生に様々な示唆を与えてくれる「故事成語・ことわざ」を独断と偏見で選んでみました。きっとビジネスだけでなく、人生においても参考になるでしょう。
今回選んだのは、
「桑を指して槐を罵る(くわをさしてえんじゅをののしる)」
という中国の有名な兵法書「三十六計」が出典の故事成語です。
「桑を指して槐を罵る(くわをさしてえんじゅをののしる)」とは
「桑を指して槐を罵る」とは、
「第三者を強く批判することで、間接的に自分の意図を相手を伝える」という意味です。
組織で業務を遂行する場合、上司が部下に指示を出していく必要があります。しかし、人は本能的に他人からの指示や命令を嫌う特性があるため、いかに抵抗感を感じさせないように指示するかが重要となります。
そこで出てくるのが「桑を指して槐を罵る」です。
この言葉は「桑の木を指して槐(えんじゅ)の木の悪口を言う」というたとえの通り、一見、関係なさそうな人に対して強く批判することで、それを見聞きした人の注意を当回しに喚起するものです。
目の前の人を頭ごなしに指示したり、注意すると、素直に話を聞いてもらえないだけではなく、後々しこりが残ることもあります。そう言った時は、よく似た失敗事例を引用して話をすることで、素直に受け入れてもらえるでしょう。
また「桑を指して槐を罵る」は、上司から部下への注意や指示の場面だけでなく、上司や経営者の誤った行動を諫言する際にも使える手法ですので、覚えておくと便利です。