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客を返して主と為す
古来より、人は自らの教訓を言葉で残し、古人の知恵や経験を「故事成語・ことわざ」として現代に伝えてきました。
その中から、時を超えて、人生に様々な示唆を与えてくれる「故事成語・ことわざ」を独断と偏見で選んでみました。きっとビジネスだけでなく、人生においても参考になるでしょう。
今回選んだのは、
「客を返して主と為す」
という中国の有名な兵法書「三十六計」が出典の故事成語です。
「客を返して主と為す」とは
「客を返して主と為す」とは、
客から主人になり変わるように「弱者が強者を内側から組織を乗っ取る計略で、順を追って段階的に主導権を手に入れていくこと」を指します。
「客を返して主と為す」の話
2017年の衆院選で、蓮舫氏の二重国籍問題や山尾志桜里氏の不倫問題などで支持率が低迷していた民進党は、当時支持率が高かった希望の党への合流により党勢の回復を図りました。
衆院選の結果、希望の党の所属議員の大半を旧民進党出身議員で占め、希望の党の事実上の “乗っ取り” には成功しましたが、衆院解散から選挙公示日までの短期間で合流したために、国民からは「希望の党 ≒ 民進党」が見透かされてしまい、結果、希望の党を使った党勢回復にはつながりませんでした。
「客を返して主と為す」を成功させるためには、時間をかけて段階的に主導権を勝ち取っていくことが必要です。
2017年の衆院選における民進党のように一足飛びに “最終形” を目指してしまえば、強者からも第三者からもその意図を見抜かれて、うまく事をなすことができません。
意図を隠し、焦らず時間を掛けながら信頼を得て、徐々に主導権を勝ち取っていくことこそ「客を返して主と為す」の重要なポイントだと言えるでしょう。