石に漱ぎ流れに枕す

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石に漱ぎ流れに枕す

石に漱ぎ流れに枕す(いしにくちすすぎながれにまくらす)

古来より、人は自らの教訓を言葉で残し、古人の知恵や経験を「故事成語・ことわざ」として現代に伝えてきました。

その中から、時を超えて、人生に様々な示唆を与えてくれる「故事成語・ことわざ」を独断と偏見で選んでみました。きっとビジネスだけでなく、人生においても参考になるでしょう。

今回選んだのは、

石に漱ぎ流れに枕す(いしにくちすすぎながれにまくらす)

という中国の古書「晋書」が出典の故事成語です。

「石に漱ぎ流れに枕す(いしにくちすすぎながれにまくらす)」とは

「石に漱ぎ流れに枕す(いしにくちすすぎながれにまくらす)」とは、
「自身の失敗や負けを認めようとせず、屁理屈を並べて言い訳をすること」を指します。

では、出典となった「晋書」の一節を見てみましょう。

楚少き時隠居せんと欲す。済に謂いて曰うに、当に石に枕し流れに漱がんと欲すというべきに、誤りて石に漱ぎ流れに枕すと云う。
済曰わく、流れは枕すべきに非ず。石は漱ぐべきに非ず、と。
楚曰わく、流れに枕する所以は、其の耳を洗わんと欲すればなり。石に漱ぐ所以は、其の歯を厲かんと欲すればなり、と。

とあり、現代文に訳すなら、

西晋時代の文人であった孫楚は、若い時に俗世界から離れて暮らそうと考えた。友人の王済に「石を枕にして、川の流れで口をすすぐような暮らしをしたい」と言おうとして「石で口をすすいで、川の流れを枕にするような暮らしをしたい」と言ってしまった。
王済は「川の流れを枕にして、石で口をすすぐような暮らしだね」と言い間違いを訂正した。
すると孫楚は「川の流れを枕にするのは耳を洗うためで、石で口をすすぐのは歯を磨こうとするためだ」と誤りを認めなかった。

といった感じになります。

「石に漱ぎ流れに枕す」といえば、明治の文人 夏目漱石の雅号「漱石」の由来として有名です。

皆さんも孫楚のように、屁理屈を並べて言い訳をしていませんか?

 

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