事大主義(じだいしゅぎ)

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事大主義(じだいしゅぎ)

事大主義(じだいしゅぎ)

古来より、人は自らの教訓を言葉で残し、古人の知恵や経験を「故事成語・ことわざ」として現代に伝えてきました。

その中から、時を超えて、人生に様々な示唆を与えてくれる「故事成語・ことわざ」を独断と偏見で選んでみました。きっとビジネスだけでなく、人生においても参考になるでしょう。

今回選んだのは、

事大主義(じだいしゅぎ)

という中国の有名な古書「孟子」が出典の故事成語です。

「事大主義(じだいしゅぎ)」とは

「事大主義(じだいしゅぎ)」とは、
「強いものに従って自分の身を守ること」を指します。

では、出典となった「孟子」の一節を見てみましょう。

齊の宣王問いて曰く、鄰國に交わるに道有りや。
孟子對えて曰く、有り。
惟仁者のみ能く大を以て小に事うるを為す。
是の故に湯は葛に事え、文王は混夷に事えたり。
惟知者のみ能く小を以て大に事うるを為す。
故に大王は獯鬻に事え、勾踐は呉に事えたり。

とあり、現代文に訳すなら、

斉の宣王が「隣国と付き合うのに、何かよい方法があるだろうか?」と聞いた。
孟子は「あります」と答えた。

まず、大国が隣の小国を侮らずに礼を厚くして付き合う方法。これは仁者だけができることになります。
殷の湯王が葛伯と交流し、文王が混夷と交流したのはこの例です。

次に、小国が大国に付き従って自分の身を守る方法。これは知者だけができる方法です。
周の大王が獯鬻に従い、越王の勾践が呉に従ったのはこの例です。

といった感じになります。

元々「事大主義」は、小国が賢く立ち回って生き延びることを指していましたが、現代では、ただ強国にすり寄って自国の保身を考えるといった否定的な意味合いで使われるようになっています。

 

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