企業版マイナンバーで厚生年金未加入がばれる?

経営豆知識

企業版マイナンバーで厚生年金未加入がばれる?

企業版マイナンバーと厚生年金未加入

厚生年金未加入の会社で働いていたため、年金がもらえないといったニュースを聞くことがあります。

労働者にとって厚生年金は将来の大切な収入を補償してくれるものです。中には払われていたと思っていた人やそう偽造されていていざ年金をもらうことになったときに年金保険料が支払われていなかったという事実を知るという人もいます。

厚生年金に限らず年金は何十年と払い続けることによって受け取る権利を得ます。ですからその時がきたときに払っていなかったことがわかっても遅いわけです。

マイナンバー制度が始まりましたが、個人にマイナンバーが割り振られることによって、情報が一括で管理できるようになります。年金の状態や納税の状況などを国が簡単に調べることができるようになるわけです。

そしてそれは企業にもいえるのです。
企業版マイナンバーにより、企業の従業員数や社会保険加入の義務の有無がすぐにわかるようになります。
つまりどういったことになるかというと、厚生年金未加入がばれる ということです。

株式会社や有限会社、合資会社でも法人企業には健康保険と厚生年金の社会保険に加入する義務があります。これは例え従業員がいなくて社長一人の会社だったとしても報酬が発生すれば加入の義務も発生します。

厚生年金強制加入になると、過去 2年に遡って全社員分の保険料を徴収されるだけでなく、加入義務が健康保険法と厚生年金保険法という法律で決められているので未加入の場合は罰せられる(6ヶ月以下の懲役または 50万円以下の罰金)可能性があります。

ですが、これまでは社会保険に未加入でも国はある意味見て見ぬふりをしてきました。それは摘発するのに状況を調べたりするのがとても手間がかかり大変だったという理由もあります。
しかし企業版マイナンバー導入によって、情報を検索するのが非常に簡単になりますから摘発もすぐにできるようになるわけです。

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国民年金と厚生年金ではもらえる年金の額も大きく違ってきます。労働者としてはしっかりと厚生年金には加入してもらいたいというのが働く人の気持ちでしょう。
一方、企業の経営者としてはできるだけ金銭的負担を少なくしたいという思いがあるのでしょうが、厚生年金未加入はこれからは許されなくなるのは間違いないでしょう。

特に零細企業といわれる小さな会社で厚生年金未加入が多いと言われています。
一説には厚生年金加入の厳格化によって倒産する企業が増えるのではという意見もありますが、人材を確保する為にもしっかりと社会保険に加入するべきですし、厚生年金加入を前提に経営計画を立てる必要があります。