今回は、リスティング広告運用についてのポイント、成約をしっかりと見るべきというお話です。
まずは実例から。
当社で、ある不動産仲介会社のコンサルティングを依頼されました。
その会社ではリスティング広告運用を業者に任せ、リスティング広告費として月約600万円、広告運用管理手数料としてその20%を使っていました。お問い合わせは月に300~400件取れていてお問い合わせ単価(CVR)としては2万円を下回っているのでリスティング広告運用としてはまずまずだと思うが、念の為見て欲しい、というのが社長さんのお話だったのですが・・・。
ちなみに月あたりの成約数を聞くと、平均で10件とのこと。お問い合わせ数が月300~400件ですから、お問い合わせ→成約の割合は3%前後ということになります。実はこの時点でリスティング広告運用としてはアウト!です。
いかに高額商品を扱う不動産業と言えど、お問い合わせ数に対する成約率がたった3%ということはちゃんとしたお問い合わせが取れていないことを意味しています。
さらにコンサルティングを進めると、どのキーワードで検索したお問い合わせがどのくらい成約しているか全く把握していないことも判明。
「お問い合わせを取れるキーワード」と「成約率の高いキーワード」は同じ様に思っている方が多いのですが、実は全く異なります。お問い合わせは取れるが成約しない、あるいは成約率が非常に低いキーワードはざらで、そういうキーワード経由のお問い合わせとその為に要したリスティング広告費用は無駄になってしまいます。
ちなみにこのケースでは、最終的にリスティング広告のキーワード設定を半年掛けて大幅に見直し、成約数を増やしながら広告費を半減することができました。
では、なぜこんな無駄なリスティング広告運用になったのでしょう?
答えは簡単です。
リスティング広告を提供するYahoo!やGoogle、そしてそのビジネスパートナーであるリスティング広告運用会社にとって、クライアントが儲かる範囲内ならできるだけ多くのリスティング広告費を使ってもらうことが重要だからです。
リスティング広告に使う金額が増えると、広告媒体を提供するYahoo!やGoogleは潤いますし、そのビジネスパートナーたるリスティング広告運用会社も通常、リスティング広告運用額の20%を報酬として得ているのですから、広告媒体とそのビジネスパートナー双方が運命共同体としてリスティング広告費用を増やそうとしていくのも至極当然と言えば当然です。
では、どうやって見極めたらいいのでしょう?
まず、Yahoo!やGoogleのビジネスパートナーになっていない業者を選ぶこと。
よく星がいくつとか、Yahoo!やGoogleから表彰されたとかを謳い文句にしている業者がありますが、広告媒体からの評価はよく広告費を使った(使わせた)評価ということでもあります。そして何よりどのキーワードで成約しているのかを把握し、成約数が増えるように広告運用をしていく業者を見つけるようにすることです。
リスティング広告はお問い合わせ数を競うものではなく、成約=売上をアップする為のツールということに留意したいものです。