ハインリッヒの法則とは
ハインリッヒの法則とは、ひとつの重大な事故の裏には、29件の軽微な事故や災害があり、更にそこから300件のヒヤリ・ハットするようなニアミスがあるということを指し示した経験則のことです。
「ハインリッヒの法則」は、労働災害などを防ぐために非常に重要な意味を持つ法則であり、事故を未然に防止するためにはこの概念をしっかりと頭に入れておくことが重要なことになります。
小さなミスがあった時にそれを単なるミスだと見逃してしまうか、危険な兆候だと考えるかによってその先のリスク管理は大きく変わってくることになります。小さなヒヤリ・ハットが軽微な事故につながり、その結果一件の重大な事故につながることを考えると、たとえそれが小さなミスであったとしても見過ごすことは出来ません。
ひとつひとつの事象だけで見れば取り立てて大げさに言うものではないかもしれまえせんが、その中のひとつが軽微な事故につながることになり、それが重大な事故につながっていくことを考えると軽微なミスを最小限に抑えることこそが重大な事故を防ぐ最善の方法となるのです。
ミスを完全になくすということは出来ませんが、ミスを極力減らすということはできます。
重大な事故だけはなんとしても防ごうと考える人は多いものですが、重大な事故を防ぐためには小さなミスを防ぐことが何よりの近道であり、それをなくして重大な事故を防ぐということは出来ないのです。
確かに注意をしなければならない優先順位というのがありますから、重大な事故に直結するような部分は最優先で注意を払う必要がありますが、それだけでなくその下にある小さな部分に関してもミスをしないように注意を払うことが大切です。
そして、小さなヒヤリ・ハットが大きな事故に繋がる可能性がなかったのかということを検証することによって、大きな事故を未然に防ぐ事ができます。
大事故というのは何の予兆もなしに起きるということはそれほど多いものではなく、必ずその兆候というのがあります。
小さなヒヤリ・ハットが不幸にも大きな事故につながってしまったと考えるのか、小さなヒヤリ・ハットが積み重なったことによって必然的に大きな事故が発生してしまったと考えるかは人それぞれですが、事故を防ぐためには小さなミスが大きな事故につながるということをよく理解して置かなければなりません。
小さなミスが積み重なっていき不幸な偶然が重なることで、大事故につながるわけですから小さなミスだからと見過ごすわけには行かない、ということを「ハインリッヒの法則」は示唆してくれています。