局地戦〜ランチェスター戦略
ビジネスで成功したいという思いは、ビジネスマンであれば誰でも抱いていることでしょう。しかし思いだけでは成功できません。成功するためには、具体的な戦略的発想が重要になってきます。そんな時に参考になるものの一つが、「ランチェスター戦略」です。
ランチェスター戦略とは、第一次世界大戦の際にイギリスのエンジニアであったフレデリック・ランチェスターが編み出したランチェスターの法則に端を発しています。それが第二次世界大戦時に進化し、ランチェスター戦略方程式をミックスした戦略として確立したのです。そして、ランチェスター戦略は、軍事面だけではなくて、今日のビジネスシーンでも有効な戦略として知られています。
ランチェスターの法則とは、簡単に言うと「戦闘力=兵力の質✕量」という式で表現できます。
ランチェスターの法則には、第一法則と第二法則がありますが、第一法則は弱者が取るべき戦略であり、第二法則は強者が取るべき戦略なのです。ですから弱者の五大戦略を理解するには、第一法則こそが肝心です。
第一法則は別名、「一騎打ちの法則」です。つまり一対一で戦う一騎打ちのイメージなのです。そして、その基本的な式は、「戦闘力=武器の質✕兵力の量」です。
つまり兵士の戦闘力が同等なら、兵士の多いほうが勝つということです。具体例を挙げるなら中小企業は大企業には“兵力(人員・会社の規模)”では勝てないので、“武器の質(技術や人員の質)”を高めていくことが基本的戦略になるのです。とにかく弱者は強者に正面から挑んでも、数で劣るのでまともに戦っては勝てません。ゆえに以下の五大戦略で戦って勝つのです。
第一に「局地戦」ですが、弱者はビジネスの領域を限定して力を分散させてはなりません。総合力で劣る弱者は、力を分散しては強者には絶対に勝てません。
第二は「接近戦」です。要するに顧客に接近し、実際に会って顧客の心を掴むのです。そのためには遠方ではなくて地元を攻めることも大切です。
第三は「一騎討ち」です。たとえば競合の多い市場を狙うのではなくて、少ない市場を狙うのです。複数の競合先より、一社だけと競合したほうが勝つ可能性は高くなるのです。
第四は「一点集中」です。力を一点に集中してこそ道は拓けるのです。弱者が全面戦争で強者に勝てるわけがありませんので、とにかく市場を細分化して一点集中で戦うのです。
そして第五は「陽動戦」ですが、これは敵の裏をかく奇襲戦法のことです。まともに戦って勝てない相手でも、これなら勝てる可能性が出てきます。
中でも特に重視したいのは、やはり局地戦でしょう。何しろ市場が広範囲になればなるほど、兵力の量がものを言います。ゆえに量が少ない中小企業においては、勝てる市場を探すか、あるいは勝てる市場を作り出して局地戦で戦って勝つべきなのです。
ランチェスター弱者の五大戦略を学ぼう・・・
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