プレミアムフライデーとは、毎月月末の金曜日の終業時間を午後3時に早める施策です。2016年末に経産省がプレミアムフライデーに関する協議会を設立すると発表し、話題となっています。
プレミアムフライデー導入の目的は大きく2つあり、1つは消費の拡大、もう1つは働き方を改善することを目指しています。
まず、消費の拡大についてですが、もともとプレミアムフライデーは、政府が経団連などと連携して、月末の金曜日の仕事を早めに切り上げることで、夕方から買い物や飲食、旅行などを楽しんでもらうという消費喚起策として検討していました。
アメリカでは「ブラックフライデー」というものがあります。これは、11月の第4金曜日に、様々な企業が売れ残り一掃セールなどを行うもので、日本でも昨年11月に実施する企業が出てきて話題となりました。
プレミアムフライデーは、このブラックフライデーにならって、デパートなどでセールを実施したり、飲食店や旅行会社などが特別な商品やサービスを提供することを想定しています。
次に働き方の改善ですが、プレミアムフライデーには強制力はなく、経産省では、あくまで賛同した事業者が実施するものであるとしています。しかし、世間でプレミアムフライデーの話題が出る中で、従来型の固定的な働き方を行っている事業者は全く何も検討しないというわけにもいかないと言えるでしょう。
現代では、IT技術が発達し、インターネット回線さえあれば、在宅勤務ができるという環境を持つ企業も増えています。また、外出の多い営業マンが、社外で社内同等の業務ができるという環境を持つ企業も増えています。このような在宅ワークや社外ワークを、環境を持たない企業が検討する、そのきっかけとなるというのも、非常に大事なことです。
しかしながら、このプレミアムフライデーの導入により、小売・飲食・旅行などのサービス業で働く人にとっては逆に該当日が繁忙日となってしまう面もあります。その意味では、不公平とも言えますが、プレミアムフライデーの旗振り役である経産省としては、消費が増えることで、サービス業は収入アップの機会として欲しいという思惑があるようです。
また、月末であることから、事務作業であっても月末の締め業務などと重なるとの懸念の声もあるのが事実ですが、プレミアムフライデーの普及によって、働き方や仕事の効率化について様々な検討を産む機会となることが重要であり、第4金曜を早帰りの日にしようという単純なものではないことを、経営者は考えておくべきでしょう。