介護離職防止支援助成金とは
日本は世界的に見ても前例がないほど高齢化が進んでおり、これからさらに高齢者の人口割合が増えることが予想できます。
しかし、急激に高齢化が進んだこともあり、国や自治体などが行っている介護サポートが追い付いていない状態のところが少なくありません。また、民間の介護事業も急速に進んできていますが、まだ介護は家族が行うものだという先入観を持つ人も少なくありません。
できるだけ家族の負担が少なくなるように、デイケアサービスや高齢者施設の入所などのサポートがありますが、それでも家族の負担は残っています。家族も介護の他に、仕事や家事をしなければならないため、ほとんどの家庭では、介護をすることで大きな負担が掛かっているのが現状です。
そこで解決策の一つとして、仕事をしながら介護をしている人の負担を減らすために「介護離職防止支援助成金」という制度があります。
介護離職防止支援助成金とは、個人が申請するものではなく事業主が申請するものです。申請して介護離職防止支援助成金を受給するためには、いくつか条件があり、その1つが、仕事と介護を両立できるようにするための職場での環境整備が整っているということです。そこでは、仕事と介護を両立できるようにするため相談窓口が設置されているか、具体的な支援を行うための介護支援プランが作成されているかどうかなどが判断基準になります。
そしてもう1つが、申請する事業主が雇用している社員に対して、仕事と介護の両立実態把握アンケートを行うことで労働者の実態を把握しているかどうか、も必要な条件です。アンケートの対象になるのは、常時雇用されている100人以上の社員に対してであり、アンケートの回収率が3割以上、もしくは100件以上であることが定められています。
これらの条件を満たすことによって、介護離職防止支援助成金を申請できる事業主として認定され、その事業主に雇用されている社員は介護休業や介護制度を受けることができます。
介護休業とは、1事業主に対して2人まで、1人につき40万円(中小企業の場合は60万円)を支給されます。そして介護制度とは、1事業主に対して2人まで、1人につき20万円を受給するすることができます。
この介護離職防止支援助成金を受給することによって、従業員は仕事を休んでも経済的な問題を気にすることなく介護に従事することができます。
ただ。介護離職防止支援助成金とは、従業員が申請したくても事業主が制度を理解していなかったり、申請していなければ利用することができないので、今後、さらに介護離職防止支援助成金の存在を周知していくことが必要です。
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