特定秘密保護法とは
特定秘密保護法を厳密に理解しようとすれば、それこそ特定秘密に関する法律や、これに関連する知る権利や基本的人権、プライバシーの権利など、様々な法律や解釈を理解する必要があります。
ここでは、最低限これだけは知っておきたい内容に絞って、特定秘密保護法について見てみることにしましょう。
特定秘密保護法とは、日本国あるいは日本国民の安全を脅かすような秘密をきちんと守り、正当な理由なく秘密を漏らしたり提供したりする人を罰するための法律と言えます。
特定秘密保護法の正式名称は「特定秘密の保護に関する法律」で、2013年(平成25年)12月6日に国会で成立し、2014年(平成26年)12月10日に施行されています。
特定秘密保護法を知るにあたり、まず、特定秘密保護法の「特定秘密」についてですが、「特定秘密」の範囲は、防衛・外交・特定有害活動・テロリストの4つの項目に関する情報で、これら4つの項目に関わる内容のみを特定秘密に指定することができます。
当初、特定秘密保護法の問題点の1つとして特定秘密の範囲や内容が分かりづらいということが挙げられていましたが、特定秘密に指定できる範囲を限定することにより、国民の自由との兼ね合いを整理しています。
なお指定された特定秘密には期限があり、基本的には最長5年間の期限となります。ただ、項目や内容によっては最長30年に達するまで再指定が可能であったり、場合によっては無期限に特定秘密にできるものもあります。そのため、国の解釈によって、都合の悪い情報を特定秘密として指定することにより、国民の知る権利などが阻害されるという懸念も一部から指摘されています。
ちなみに、無制限に特定秘密とするのは問題点があるため、その事項や内容が本当に秘密とすべきなのかをチェックする機関があります。それが「独立公文書管理監」と「情報保全監察室」であり、当該の職員が特定秘密とする事項や内容の妥当性などをチェックすることになっています。
また、特定秘密に指定した事項や内容を取り扱う人を選ぶ際に、相応しい人を選ぶことができるよう、適性評価という制度も設けられ、公正な情報管理ができるようになっています。