情報保全監察室とは
情報保全監察室とは、平成26年12月に内閣府に設置された特定秘密指定の運用状況のチェックをする第三者機関です。
情報保全監察室は20人ほどの規模ですが、特定秘密保護法の施行に合わせ、特定秘密保護法附則第9条に基づき、ほかの行政機関から独立した公正な立場で検証・観察作業をしています。
情報保全監察室の室長は独立公文書管理監が兼務しており、残りの職員は全員官僚で、アメリカの国立公文書館の情報保全監察局を参考に設置されました。
アメリカの情報保全監察局の場合は人事異動で出身省庁に戻らない「ノーリターンルール」が適用されるため政府内の独立性が高いのですが、情報保全監察室では「ノーリターンルール」が適用されておらず、身内である出身省庁や他省庁に配慮してチェックが十分にされていないおそれがあると特定秘密保護法に反対している人たちからは指摘されています。
情報保全監察室では、特定秘密の監視組織のトップである独立公文書監を中心に、秘密の指定や解除が適切かどうかを検証・監察し、適切でないとした場合には各省庁に是正勧告します。また、秘密指定が解除された文書の国立公文書館への移管や不当廃棄がないか検証・観察を行います。
また、特定秘密の運用に不正や恣意があった場合、情報保全監察室は内部通報の窓口となります。通報を受け付けるのは、特定秘密の取扱業務者等が、特定秘密の指定及び解除または特定行政文書ファイル等の管理が特定秘密保護法に従って行われていないと思料された場合です。
情報保全監察室(独立公文書管理監)への通報は、ファイル管理に係る行政機関が設置する通報窓口に通報を行い、当該行政機関から調査を行わない旨の通知または調査の結果通知を受けた後に行うことになります。しかし、条件を満たしている場合は行政機関の通報窓口を経ずに、独立公文書管理監へ通報することが可能になるケースもあります。
情報保全監察室の仕事としては、その他にも、特定秘密の指定及びその解除や適性評価の実施に関し、統一的な運用を図るための基準に基づく報告を内閣総理大臣にしています。これまでに2回の報告があり、平成27年12月に「特定秘密の特定行政文書ファイル等の管理について」、平成29年5月に「独立公文書管理監等がとった措置の概要」が報告されています。