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株を守りて兎を待つ(かぶをまもりてうさぎをまつ)
古来より、人は自らの教訓を言葉で残し、古人の知恵や経験を「故事成語・ことわざ」として現代に伝えてきました。
その中から、時を超えて、人生に様々な示唆を与えてくれる「故事成語・ことわざ」を独断と偏見で選んでみました。きっとビジネスだけでなく、人生においても参考になるでしょう。
今回選んだのは、
株を守りて兎を待つ(かぶをまもりてうさぎをまつ)
という中国の古書「韓非子」が出典の故事成語です。
「株を守りて兎を待つ(かぶをまもりてうさぎをまつ)」とは
「株を守りて兎を待つ」とは、
「古い習慣にとらわれて、臨機応変にふるまえない」という意味です。
ちなみに出典となる「韓非子」の原文(書き下ろし文)は、
宋人に田を耕す者有り。
田中に株有り。兔走りて株に触れ、頸を折りて死す。
よりて其の耒をすてて株を守り、また兔を得んことをこひねがふ。
兔また得べからずして、身は宋国の笑ひと為る。
田中に株有り。兔走りて株に触れ、頸を折りて死す。
よりて其の耒をすてて株を守り、また兔を得んことをこひねがふ。
兔また得べからずして、身は宋国の笑ひと為る。
となりますが、現代文に訳すなら、
宋の国の人で、田んぼを耕している者がいました。
ある日、田んぼの中にあった切り株にウサギが走ってぶつかり、首を折って死んでしまいました。
それを見たこの人は持っていた鋤(すき)を捨てて、毎日切り株を見張り、また切り株にウサギがぶつかって手に入ることを願っていました。
結局、ウサギを得ることができなかったその人は、宋の国の笑い者となったそうです。
ある日、田んぼの中にあった切り株にウサギが走ってぶつかり、首を折って死んでしまいました。
それを見たこの人は持っていた鋤(すき)を捨てて、毎日切り株を見張り、また切り株にウサギがぶつかって手に入ることを願っていました。
結局、ウサギを得ることができなかったその人は、宋の国の笑い者となったそうです。
といった感じになります。
「なぜ、こうするのか?」と聞かれて「前任からの引き継ぎです」とか「昔からの慣習です」という回答が返ってくることがあります。習慣を変えないことは、確かに楽で失敗しにくいのですが、時とともに非効率なやり方になってしまうこともあります。
物事へのアプローチの仕方は状況が変われば変わるものです。そのことを肝に命じて「株を守りて兎を待つ」状態にならないようにしたいものです。