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己れの欲せざるところは人に施すなかれ
古来より、人は自らの教訓を言葉で残し、古人の知恵や経験を「故事成語・ことわざ」として現代に伝えてきました。
その中から、時を超えて、人生に様々な示唆を与えてくれる「故事成語・ことわざ」を独断と偏見で選んでみました。きっとビジネスだけでなく、人生においても参考になるでしょう。
今回選んだのは、
己れの欲せざるところは人に施すなかれ
(おのれのほっせざるところはひとにほどこすなかれ)
という中国の古書「論語」が出典の故事成語です。
「己れの欲せざるところは人に施すなかれ」とは
「己れの欲せざるところは人に施すなかれ」とは、
「自分がしてほしくないと思うことは他人にもしてはならない」ということです。
「論語」に出てくる原文(書き下ろし文)を見てみると、
仲弓、仁を問う。
子曰く、門を出でては大賓を見るが如く、民を使うには大祭を承くるが如くす。
己の欲せざる所は、人に施すこと勿かれ。
邦に在りても怨み無く、家に在りても怨み無し。
子曰く、門を出でては大賓を見るが如く、民を使うには大祭を承くるが如くす。
己の欲せざる所は、人に施すこと勿かれ。
邦に在りても怨み無く、家に在りても怨み無し。
となりますが、現代文に訳すなら、
仲弓が「仁」について質問したところ、孔子は
「社会の人と交流するときは賓客と会うように、民を使役する場合は宮廷で行われる祭祀に仕える接するべきである。
自分がしてほしくないと思うことは他人にもしてはならない。
こうすれば、国にあっても家にあっても恨まれることはない。」と答えた。
「社会の人と交流するときは賓客と会うように、民を使役する場合は宮廷で行われる祭祀に仕える接するべきである。
自分がしてほしくないと思うことは他人にもしてはならない。
こうすれば、国にあっても家にあっても恨まれることはない。」と答えた。
といった感じになります。ちなみに「仁」とは、一言で言うなら人に対する思いやりのことです。
当たり前のことですが、人の立場に立って物事を考えることは、とても大切です。ビジネスでも同様で、消費者を思いやり「消費者が望んでいないことは行わず、消費者が期待していることを行う」ことが、長期間生き残るための秘訣だと思います。
そういった意味では「己れの欲せざるところは人に施すなかれ」は、ビジネスの観点から見ても「仁」を体現する言葉と言えるでしょう。