ネット上のネガティブな情報を短期間に消そうと思うと、消そうとしている痕跡は何らか残ってしまいます。ネット上に悪意があったり、ネガティブな書き込みがなされる背景として、当然、悪意やネガティブの感情を抱いている人がいるわけですから、そういった痕跡を見つけると、さらに火に油を注ぐようなことになってしまうわけです。
単に誹謗中傷で実際とは異なる書き込みであれば、弁護士を介して書き込みを消すことも可能ですが、実際、悪意やネガティブの情報がネット上に残るような場合、今回の DYM社のように事実が中心でネット上に書き込まれている内容があながち間違いではないという場合がほとんどです。
そうなると公共の利益を考えた時、情報を消去する理由がないわけですから、消去する痕跡が見つかってしまうと SNSなどを中心に再度叩かれる「再炎上」を引き起こします。
かといって、放置すれば自然に鎮火するかといえば、そうでもありません。実際のネット炎上は時間とともに徐々に鎮火していきますが、ネット炎上した痕跡、具体的には検索結果には悪意だったりネガティブな情報が1年でも2年でも平気で残り続けます。よく、時間が経って情報が古くなると検索順位が下がり、新しい情報と入れ替わると思っている人がいらっしゃいますが、現実は長い期間、検索結果に残り続けてしまうのです。
実際に「ネット風評被害対策のプロ」を自認する DYM社ですら、悪意やネガティブの書き込みを消去することに(おそらく)失敗し、再炎上させてしまったのですから、悪意やネガティブの書き込みを消去することは非常に難しいと考えるべきです。
例えばネット検索すると、 自称「ネット風評被害対策のプロ」という会社がたくさん見つかりますが、DYM社の例を見るまでもなく、短期的に悪意やネガティブの情報を消したり、弱めたりできる会社はほぼ皆無といってよいと思います。さらに言うなら、今回の DYM社のケースのように再炎上して事態を悪化させる危険性の方が高いと思います。
ネット上に悪意やネガティブな情報を書き込まれて検索上位表示されてしまう場合、単に誹謗中傷で実際とは異なる書き込みでなければ、安易に業者に依頼して消そうとせず、本当の専門家に相談してみることをお勧めします。