集客の仕事をしていると、士業の方から相談を受けることも多いのですが、個人的に弁護士や司法書士といった業種はプッシュ型の広告にはあまりそぐわないと思っています。
最近、一時期下火だった消費者金融への過払い請求のテレビCMがまた増えてきた印象があります。目にするのは、ほとんどが弁護士法人 アディーレ法律事務所と司法書士法人 新宿事務所の2つ。
特に司法書士法人 新宿事務所のCMは「利用者の声」+「早口のナレーション」で構成され、プッシュ度合いが激しくて畳み掛けるようなイメージで、はっきり言ってあまりオススメできないタイプのCMです。
CMを見て新宿事務所はネット集客はどのようにやっているのか、ふと興味を持ち、「新宿事務所」とキーワード検索をしてみたら、実に興味深いリスティング広告が出稿されていました。
「司法書士は最高裁判断で140万円を超える過払い請求ができない(非弁行為)ので、以前、司法書士に依頼した140万円超の事案があれば、司法書士に支払った報酬を返還請求できる」
といった趣旨の内容でした。
広告主は、なんと弁護士法人であるITJ法律事務所。さらにお問い合わせフォームを見ると、「ITJでは司法書士に対する請求を行います」と書かれており、司法書士から不正に得た“報酬”を回収してくれ、ITJには回収金額の20%+消費税を支払うようです。
目にした広告は、「新宿事務所」というキーワードで表示される広告ですから、弁護士法人 ITJ法律事務所は司法書士法人 新宿事務所もターゲットにしているということなのでしょうか。
ということになると、消費者金融から過払い請求でグレーゾーン金利分を取り戻し、報酬を得ていた司法書士に対して、非弁行為に当たる部分の報酬について弁護士が司法書士から取り戻すといった、弁護士と司法書士の“仁義なき戦い”になっていくのかもしれません。
いずれにしても、色々なビジネスが世の中にはあるのだと思った次第です。