SIPSとは、ソーシャルメディアを活用している生活者を考えたモデルのことです。
『Sympathize(共感する)』、『Identify(確認する)』、『Participate(参加する)』、『Share & Spread(共有と拡散する)』の頭文字を取ったものがSIPSであり、企業のコミュニケーション・プランディングには欠かせないモデルとなっています。また、ソーシャルメディアによって変化した情報の流れ方に対応した生活者の行動プロセスでもあります。
まず、スタートとなる「Sympathize(共感)」は重要であり、企業のイメージを決定付けるものになります。情報を多くの人に浸透させるための過程なので、人が共感するポイントを絞る必要があります。共感してもらうことができれば、それで終わらせず、そこからコミュニケーションを積極的に取り、継続することが重要になります。信頼を得るための入り口になるので、共感してもらうことばかりに力を入れないように注意しなければなりません。
次に、「Identify(確認)」は共感した物が自分にとって利益になるのか、不利益なのかを確認するパートとなります。あらゆる手段で確認し、そこで自分には必要だなと感じれば、次のパートであるParticipateへと進んでいきます。
その「Participate(参加)」では、より知ってもらうために宣伝する、知人や友人に紹介するなどの行為を言います。これは、個人が宣伝することで認知度を上げていくことになり、多くの人が知ることに繋がります。購買に繋がらない行為も含み、情報に関わる行動をすることがParicipateとなります。
最後の「Share & Spread(共有と拡散)」では、SIPSのSympathize、Identify、Participateを経た生活者が今度は企業のように宣伝活動をするパートとなります。実際に情報を得て利益を得たか、あるいは商品を購入したか、に限らず、どんどんソーシャルメディアを利用して宣伝活動をしていくでしょう。企業側から共感を求めるよりも、SIPSの過程を経た生活者の方が共感をされやすいことにより、企業自ら宣伝活動をすることなく、コミュニティーを通して自然に拡散します。
SIPSへ参加する人を増やすことができれば、その人数に比例して購買を増大させることとなり、企業は宣伝にコストをかけることなく売上げを伸ばすことに繋がります。つまり、SIPSは購買をゴールとはせず、次の参加者を増やすためのサイクルと言えます。