Xバンドレーダーとは
北朝鮮によるミサイルを発射は、日本でも大きく報じられています。また、アメリカの最新鋭迎撃システムであるTHAAD(サード)の韓国配備についても、話題になりました。
THAADとは、弾道ミサイルが飛行の最終段階に入って落下し始めたところで撃ち落とすことができるシステムです。そして、その中核となるのが、発射された弾道ミサイルを素早く探知できる高性能の「Xバンドレーダー」と言われる「TPY-2レーダー」です。
そして、在韓アメリカ軍のTHAADに使われている「Xバンドレーダー」と同じものが、青森県と京都府に配備されており、日本の2つのレーダーと在韓アメリカ軍のTHAADは、データリンクでつながって、お互いをカバーしあうことができます。
青森県にあるXバンドレーダーは、つがる市にあり、2006年から運用されており、京都府にあるXバンドレーダーは、近畿で唯一の米軍基地がある京丹後市の宇川地区(航空自衛隊経ケ岬分屯地に隣接)にあり、2014年12月から運用されています。
では、この「Xバンドレーダー」とは、どのようなものなのでしょうか?
Xバンドレーダーとは、Xバンドと呼ばれるマイクロ波を使ったレーダーで、主に軍事用または気象観測用に用いられています。周波数が短長波で、解像度と発信出力が大きいと言う特徴があり、探知能力に優れています。
そのため、ミサイル防衛においては、弾道ミサイルの発射を、いち早く察知して追尾することが可能なのです。Xバンドレーダーは、海上配備型のものと移動式(車載移動式)のものがあります。
車載移動式は、左右には回転せずに、上下方向の角度調整機能があります。探知距離についての詳細はアメリカ軍の機密であるため不明ですが、捜索モードで1000km以上の性能があると見られています。
日本海は、日本配備のXバンドレーダーが大部分をカバーしているため、北朝鮮がSLBMをどの位置から発射しても探知は可能で、京都にあるXバンドレーダーで韓国に配備されているTHAAD迎撃ミサイルを管制して誘導することもできる仕組みになっています。