思い込みでターゲットを絞る危険性

思い込みでターゲットを絞る危険性私の住んでいる地域では、初夏になると、小さなプレハブ店舗だったり車だったりと種類は異なりますが、道路沿いにその日に採れた露地野菜を売る季節限定のお店がいくつか現れます。

値段はスーパーよりも若干高く、形も不揃いだったりしますが、通り掛かりの人たちが買っていく為、夕方には売り切れて店じまいしていることがほとんどで、売れ行きはまずまずのように見えます。

基本的に農家さんが運営していて、同じ野菜を売る八百屋さんのように呼び込みをするわけでもなく、ただ座って店番をしているといった雰囲気なのですが、ある日の夕方、通り沿いの駐車場に車を停め、通りがかりの通行人に対して積極的に声を掛けて野菜を販売している人を見掛けました。

まだ10mほど離れていたのですが、帰宅時間なのに野菜が多く残っていて、中でも枝豆に目が留まり、買おうかと近づいていったのですが、店主と目が合った瞬間、プイッと店主は目をそらし、私の少し後ろを歩いていた主婦らしき人に向かって熱心に売り込みを始めました。私は結局買わないまま店の前を通り過ぎてしまいました。

興味があったので、少し離れたところからしばらく見ていると、どうやら主婦層に絞って売り込みをしているようです。店主から見ると、スーツを着た男性よりも主婦らしき女性の方が買ってくれると思っているのでしょう。店じまいを考えなければいけない時間帯でさっさと野菜を売り切って帰りたいところでしょうし、できるだけ効率良く売りたいという気持ちは何となくわかる気がします。

しかし、周囲の野菜販売の店は早々に売り切って店じまいをし、この店だけが夕方まで野菜を多く余らせていたことは2つのことを示唆しているように思います。

一つは、売り込もうとすればするほど売れない ということ。
もう一つは、ターゲットを絞ってしまうと、絞り込んだ以上に売り上げが下がる場合がある こと。

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消費者はモノやサービスを売り込まれることを嫌い、自分の意思で好きなものを買いたいと思っています。特に広告宣伝において、モノやサービスの良いところをアピールすることと、モノやサービスを売り込むことを取り違えている例は非常に多いように思います。

【関連記事:ネット集客のコツは「集客しようとしない」こと

また、集客効率や営業効率を上げるためにターゲットを絞り込むことはよくありますが、事業者側の思い込みでターゲットを絞り込んでしまうと、かえって集客効率や営業効率を下げてしまいます。例えば、広告宣伝であれば、一般的にターゲットを絞り込むことで広告費(広告単価)がアップします。ターゲットによってモノやサービスの購入率が大幅に異なる場合は良いのですが、実際は購入率があまり変わらないのに、勘や思い込みでターゲットを絞り込んでしまうと、広告費(広告単価)のアップを吸収しきれず、集客効率や営業効率を下げるということになってしまいます。ネット集客であれば、リスティング広告などでよく失敗する例です。

性別・年齢など、自分の経験と記憶による思い込みでターゲットを絞り込むことはかなり危険な場合がほとんどです。
経験を積んだ営業マンがスランプに陥ったりするのも、「思い込みによるターゲットの絞り込み」によるものが多かったりします。自社のモノやサービスはどんなヒトが買っているかを調査・検証すると、思っているよりも幅広い層ということに気付かされます。

こういったニッチな販売層においては、競合相手が少ないため、集客効率や営業効率が低そうに見えて、実は集客効率や営業効率が高いといったケースもままあります。

効率良くモノやサービスを売り込む ことを考えるのではなく、できるだけ多くの人に自社のモノやサービスの長所を知ってもらう ことによって見えてくる集客もあるはずです。

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