加計学園 獣医学部開設 – 時系列まとめ

真相まとめ 報道されない話

加計学園 獣医学部開設 – 時系列まとめ森友学園問題と入れ替わるように浮上してきた加計学園 獣医学部開設に関わる疑惑ですが、新聞やテレビの報道では全容が掴めないため、自分で調べてみることにしました。

加計学園の加計孝太郎理事長と安倍首相が友人関係にあり、加計学園の獣医学部開設にあたって何かの便宜があったのではないか?という報道もありますが、実際はどうなのでしょうか。

早速、時系列でまとめてみることにします。

加計学園 獣医学部の開設までの時系列

1975年 【今治市】大学誘致を目指す「学園都市構想」を決定
1983年 【今治市】建設予定地を土地造成
1983年〜 【今治市】高等教育施設を誘致する目的で、合併振興基金として40億円を積み立て
2006年頃 【今治市】獣医学部の誘致を始める
2007年度 【今治市/愛媛県】政府に対し、構造改革特区を活用した獣医学部新設を提案(設置予定母体:加計学園)するが、不可となる(自民党政権・福田康夫内閣)
2008年度 【今治市/愛媛県】政府に対し、構造改革特区を活用した獣医学部新設を提案(設置予定母体:加計学園)するが、不可となる(自民党政権・麻生内閣)
2009年度 【今治市/愛媛県】政府に対し、構造改革特区を活用した獣医学部新設を提案(設置予定母体:加計学園)し、「実現に向け検討」となる(民主党政権・鳩山内閣)
2010年1月 【民主党】民主党 加藤敏幸代議士(愛媛)が、獣医師の定員増と獣医師の偏在問題について質問(民主党政権下)
2011年6月 【民主党】民主党 江田五月法相(岡山)など愛媛・岡山選出議員で獣医関係の特区勉強会を開催(民主党政権下)
2016年4月 【民進党】「地方創生に関する特別委員会」で民進党 高井崇志代議士(岡山)が、国家戦略特区による今治市への加計学園獣医学部開設を要望
2017年1月 【今治市】国家戦略特区制度の特区認定を受ける
2017年3月 【今治市議会】用地(16.8ヘクタール)を加計学園に無償譲渡する議案、校舎建設費192億円の半額である96億円の債務負担行為をする議案を賛成多数で可決
2017年3月 【加計学園】「岡山理科大今治キャンパス」として文部科学省に獣医学部の設置を申請
2017年11月9日 【文科省】文部科学省の大学設置・学校法人審議会が、岡山理科大 獣医学部の開設を認める答申を文部科学大臣に提出
2018年4月 【加計学園】「岡山理科大今治キャンパス」開校

以上が、加計学園の獣医学部開設に至る大まかな流れです。

このように時間を掛け慎重に準備が進められてきた、加計学園の獣医学部開設ですが、時系列を見ると、民主党政権となった2009年9月以降で具体的な形として動き出しているように見えます。

民主党の実力者 江田五月議員の元秘書で、現民進党の高井崇志議員は、今治市への加計学園 獣医学部開設について「10年来の悲願」「自分も民主党政権時代から取り組んで来た」と言っている通り、加計学園の加計孝太郎理事長とも懇意だった江田五月議員の働きかけもあったのでしょう。

こうしてやっと動き出したかに見えた獣医学部の誘致だったのですが、既得権益を守りたい獣医師会の抵抗もあり、国会で民主党 加藤敏幸代議士が取り上げてから、8年余り経った2016年に地方創生と絡めた「国家戦略特区」により、ようやく悲願の学校設立にこぎつけることになりました。最初の「学園都市構想」からは、すでに40年以上が経過し、関係者の苦労を察するに余りあります。

加計学園の獣医学部開設には疑惑があるのか?

次は、気になる加計学園の疑惑の有無について見てみることにします。

加計学園の獣医学部開設については、用地を無償提供しているとか、多額の資金を自治体が負担しているとか、森友学園の延長線にあるような疑惑の話が出ていますが、私学といえども大学の誘致ですので、土地の無償提供や建設費の一部負担は一般的です。

また、今治市・今治市議会で長年論議され、準備を進めてきた事案でもあり、少なくとも、誘致・建設手続きには瑕疵はないものと思われます。森友学園のように、私立幼稚園が小学校を作ったのと同じようなレベルで考えるべきではないでしょう。

あとは、特区認定に際しての疑惑の有無ですが、これについては、山本幸三 内閣府特命担当大臣が国家戦略特区制度の特区認定した日に記者会見をしているので、その内容を見てみましょう。

山本内閣府特命担当大臣記者会見要旨(2017年3月3日)

記者:特区に関連して、岡山理科大学(加計学園)の獣医学部を設置する件で、経営する側が安倍総理に非常に親しい方で、特区認定がされることについて、一部野党なんかが森友学園のように何らかの関係があったんじゃないかというような指摘がされている、報道なんかもされているんですが、それについて特区担当の大臣として、その経緯などについて改めて検証したりするようなお考えはありますでしょうか?
山本大臣:私は、最近まで、安倍総理と親しかったというのは知りませんでしたけれども、週刊誌にそういうのがあるということで読んで知りました。これは、既に、私が大臣になる前から始まっていた話でありまして、とにかく先端的サイエンスの研究、あるいは地域の感染症に対する水際対策をやる必要があるという意味で、それらがない所に是非獣医学部を作ってほしいという話が元々ございました。

一方で、獣医師会では獣医師の数は足りているんだというような議論があって、そこで本当に新しい先端的サイエンス研究ができるのかとか、そういう必要性があるのかというようなことで、国家戦略特区で議論が行われておりました。

申請者は愛媛県今治市でありますけれども、市と議論している中で特区の委員は是非やるべきであり、今、日本で創薬等をやる際に、豚とかちょっと大きい動物を上手く使えるような獣医師さんがいないとなかなかそれはできない、小さなマウスぐらいでは駄目だという状況になってきました。

つまり簡単に言えば、従来の医学と獣医学との間になるような分野、その境界線みたいなところの研究が非常に必要とされているわけでありまして、そこに対応するような獣医学部ができると非常に良いんだということでありまして、これはやっぱり必要ではないか、特に教育改革の先生方が非常に熱心で積極的でありました。

私もそういう議論を踏まえる一方、私が心配していたのは、自治体が過剰な財政負担を抱えるということにならないだろうかというような話、それから、本当にそういう良い先端サイエンスができるかというようなことでありまして、その辺はきちっと詰めさせていただきました。そして公募手続をやりまして、しかも当初は一つしか来なかったので、もう一回追加して公募期間を設けるということをやりましたけれども、他の事業者の応募が無く、一つしか応募がなかったということで決まりました。

いずれにしても、この選定プロセスについては特区法に基づいて他の案件と同じような手続を採っておりまして、公平性、中立性、透明性は十分に確保されているというように考えておりまして、是非獣医学部を作ってもらいたいと思っております。

見る限り、加計学園 獣医学部開設の特区認定手続きについても、法に則った形で進められているようです。

加計学園の加計孝太郎理事長と安倍首相が友人関係にあることで、加計学園 獣医学部開設の過程で何か便宜が図られたのではないかと、朝日新聞・毎日新聞、民進党などは勘ぐっているようで、文部科学省関係者からの怪文書の類も出てきていますが、誘致の過程や特区認定の過程で見る限り、不自然さは見つかりませんでした。

【参考記事:加計学園〜前川前事務次官が文書の出所?!

私自身、経営者として多くの方と付き合いがありますが、親しい間柄であれば便宜を図るというのは「下衆の勘繰り」で、志がある者同士なら、親しい間柄だからこそ、より厳しく、より公明正大に物事を決めるものです。

加計学園の獣医学部開設については、民進党も民主党時代に大きく関与しているわけで、安倍政権打倒で前が見えなくなってしまうと「民主党が誘致を働きかけた事案を、民進党がほじくり返す」という笑えないことになるかもしれません。

2017年11月10日 追記
大学設置・学校法人審議会(設置審)が加計学園の獣医学部(岡山理科大今治キャンパス)の開設を認める答申を文部科学大臣に行いました。林文部科学大臣が近く正式に認可を行い、2018年4月に開学になります。

一体、「加計学園問題」とは何だったのでしょうか?

 

加計学園問題・森友学園問題の真相とは・・・

加計学園・森友学園問題〜6つの共通点を見てみる

コメント

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