N分N乗方式とは?N分N乗方式とは、所得税の課税方式の一つです。日本では、所得税の課税は個人単位で行われていますが、従来とは異なり、世帯単位での課税、つまり世帯課税とする方式の一つがこの「N分N乗方式」と呼ばれているものです。

「N分N乗方式」の導入により、世帯としての所得は同じであっても、世帯の合計人数が多いほど世帯全体としての所得税は少なくなります。ただし、どんなケースであっても少なくなると決まっているわけではなく、あくまで累進課税方式、つまり、所得に対する課税率は一定ではなくて、所得が少ない場合は税率も低くなり所得が高いほど税率が高くなるという課税方式を採用している場合にのみ、税負担の軽減が期待できる方式です。

「N分N乗方式」の導入により、世帯の人数が多いほど税負担が軽減されることから、主に少子化対策として効果があるのではないかと考えられています。

では、具体的な「N分N乗方式」の課税方式について見てみましょう。

まず、世帯の取得を全て合計します。例えば2人世帯で、それぞれの所得が300万円と700万円であった場合、合計して1000万円とします。この金額(1000万円)を世帯の人数(2人)で割ります。この例で言えば、1000万円を2で割って500万円となります。

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次に、この金額(500万円)に対して課税される金額を算出します。現在の所得税も「N分N乗方式」による所得税も累進課税は変わりません。そこで、300万円台の人の税率は10%、500万円台の人の税率は15%、700万円台の人の税率は20%であると仮定しましょう。「N分N乗方式」の場合、所得500万円台に対する税率が15%ですから、課税される金額は、500万円×15%で75万円となります。最後にこの数字(75万円)に、世帯の人数(2人)を掛けます。結果はこの例では150万円となり、この150万円がその世帯課税額となるというのが「N分N乗方式」です。

同じ例(2人世帯でそれぞれの所得が300万円と700万円)で、実際に個人単位での課税と比較してこの世帯課税に税金の軽減効果があるのかどうかを見てみましょう。

現在の所得税の税額を計算すると、300万円台の人の税率は10%、700万円台の人の税率は20%と仮定しましたので、この世帯では所得300万円の人の税額は30万円、700万円の人の税額は140万円となり、世帯全体の税額は170万円となります。つまり「N分N乗方式」の導入すると20万円の税負担軽減効果があることになります。

さらに「N分N乗方式」では、所得のない家族(例えば子供)が増えると税負担軽減効果が生まれます。

先程の例(2人世帯でそれぞれの所得が300万円と700万円)で、この世帯に所得のない子供が一人増えた場合、合計所得1000万円を3で割った333万円にかかる税額は33.3万円(300万円台の人の税率:10%を適用)となり、それを3倍した100万円が世帯課税金額となります。つまり、子供がいない場合と比べると、50万円の税負担軽減効果があることになります。

このように「N分N乗方式」は少子化対策としても期待されている税制でもあります。今後、「N分N乗方式」の論議は深まっていくと思いますので、動向を注視しておくと良いでしょう。

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