馬耳東風(ばじとうふう)
古来より、人は自らの教訓を言葉で残し、古人の知恵や経験を「故事成語・ことわざ」として現代に伝えてきました。
その中から、時を超えて、人生に様々な示唆を与えてくれる「故事成語・ことわざ」を独断と偏見で選んでみました。きっとビジネスだけでなく、人生においても参考になるでしょう。
今回選んだのは、
馬耳東風(ばじとうふう)
という中国の有名な詩人 李白の詩「王十二の寒夜に独酌して懐有るに答う」が出典の故事成語です。
「馬耳東風(ばじとうふう)」とは
「馬耳東風(ばじとうふう)」とは、
東風とは春風のことで、馬の耳に春風が吹いても何も感じない例えから「他人からの忠告や批評を心に留めず、聞き流す」という意味です。
では、出典となった李白の詩を見てみましょう。
詩を吟じ賦を作る 北窗の裏、萬言直せず、一杯の水。
世人此れを聞きて皆頭を掉る、東風の馬耳を射るが如き有り。
世人此れを聞きて皆頭を掉る、東風の馬耳を射るが如き有り。
とあり、現代文に訳すなら、
北に面した窓の近くで詩を吟じ、賦を作る。多くの優れた言葉を連ねても、一杯の水にも値しない。
世間の人々は、詩や賦を聞いても理解ができず頭を振り、まるで馬の耳に春風が吹いても何も感じないのと同じように、誰も気に留めない。
世間の人々は、詩や賦を聞いても理解ができず頭を振り、まるで馬の耳に春風が吹いても何も感じないのと同じように、誰も気に留めない。
といった感じになります。
「馬耳東風」といえば、地位が上がれば上がるほど、諫言してくれる人は減っていきます。馬耳東風とならないよう、人からの忠告を聞き入れる度量を持ちたいものです。