インキュベーションとは?

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インキュベーションとは?

インキュベーションとは

インキュベーションとは主にベンチャー企業支援事業のことです。もともとのインキュベーションとは、動物の卵を親動物に代わって温めることにより孵化させることを意味していますが、卵を温めて孵化させるように、これから起業しようとする起業家をいろいろな形で支援・サポートし、一人前の企業活動ができるように育てる、支えるという意味合いがあります。

具体的に、これからまさに起業しようとする人はどのようなサポートを必要としているでしょうか?

例えば施設、設備があるでしょう。仕事をするためのオフィス環境一つをとっても最初のうちは見つけるのに一苦労かもしれません。あるいは人材かもしれません。起業して間もない頃は会社としての信用度も低く、オフィスを貸してくれなかったり、会社にとって必要な人材がなかなか集まらなかったりします。

資金面でも悩む経営者は多いかもしれません。会社を経営、運営していくためには多くの資金が必要です。経営が軌道に乗ってくれば商品やサービスの売り上げによって利益を上げることができるでしょうが、最初のうちは商品やサービスもなかなか売れず、それでいて在庫や設備投資、オフィスの賃貸料あるいは人件費など、固定で出ていく費用は必要です。企業当初は特に資金というものは足りすぎるということはないでしょう。

ベンチャー企業支援事業とはまさにこのようなベンチャー企業が必要としているあらゆるものをサポートする役割があります。ベンチャー企業というのは、最初は脆弱な存在ではありますが、きちんと軌道に乗ることができれば、経営者や社員はもちろんのこと、顧客、あるいは地域社会、ひいては国全体にとっても非常に魅力ある存在に成長する可能性を秘めています。その意味では、ベンチャー企業支援事業は、いわば将来に対する投資であるということができます。

ただ、投資とは言っても、一般の人が行うにはハードルが高いこともまた間違いありません。一般の人では、その企業の将来性があるかどうかを見極めるのが困難だからです。ということもあり、現状では、ベンチャー企業支援事業は地方自治体や国が税金を投入して行うことが多くなっています。

ちなみに、日本では昔から税金でハコもの造りが多いといわれてきました。ベンチャー企業支援事業でもそれは例外ではなく、設備や施設などハード面の提供はしても、人材や資金などソフト面は苦手と言われてきました。しかし最近では資金やソフト面にも力を入れた事業が多くなってきています。