インストアマーチャンダイジングとは
現在の競争の激しい世の中にあっては、一つの分野において多くのライバル企業がしのぎを削ることが多く、販売する側はただ単にお客さんが来てくれるのを待っているだけではなく、どうすればお客さんが来てくれるかの対策を講じることが肝心なのは言うまでもありません。
どうすればより効果的に集客できるかについて考えると、やはり多くの人にその販売者や商品・サービスの存在を知ってもらうことが大事ですので、例えばテレビCMや新聞広告、ウェブ広告などの、多くの人の目に触れるような手法が用いられています。
しかし、たとえ多くのお客様が広告により訪問してくれたとしても、商品やサービスを買わずに帰ってしまっては意味がありません。そこで重要なのが、お店の中でもお客さんに商品を買ってもらうための対策です。そして、そのための対策の代表的な方法の一つが、インストアマーチャンダイジングなのです。
インストアマーチャンダイジングとは、お店の中の商品の品揃えや陳列について、科学的、統計的な分析を行うことにより、効果的に収益を上げようとする方法のことを言います。
もう少し具体的に説明すると、お客様があるお店を訪れてから、何か商品を買おうと決意するまでには、どのような心理的な動きがあるのかなど、お店の中でのお客様の心理状態を考慮して、どのような商品を置くかを決めたり、それらをどういう風に並べるかを工夫したりするということがインストアマーチャンダイジングです。
このインストアマーチャンダイジングにおいて、まず行うべきは、店内を上手くゾーニングしたり、お客さんから見た店内の光景を意識するなどによって、効率の良いスペース構成にすることです。
例えば、お店の外側はかっこいいからと思い中に入ってみたものの、お店の中がごちゃごちゃしていてどこに何があるのかが分からないようでは、購買意欲が萎えてしまうものです。そうならないように、どこに何があるのかがわかりやすい店内の構成や配置を行うのです。またお客さんの動きをある程度コントロールするために、導線を意識した商品の配置を考えることも効果的です。
お店の中をどう仕切って、どのあたりに何を置くのかを大まかに決めたら、その次はそこに配置した棚などに、どのような商品をどういった形で置くのかを考えることになります。
棚の上下左右を意識して、どこにどの商品を置けば手に取ってもらいやすいかとか、どういった商品の置き方にすればそれぞれが目に入りやすいかといったように、商品の特徴や形状などを考えた置き方を心がけるのです。さらにPOPなどの店内広告や流れているBGMも、購買意欲の向上につながるという点で、インストアマーチャンダイジングの手段の一つと言えます。