コトラーの競争地位戦略とは
グローバル化の影響もあり、企業を取り巻くビジネス環境は年々熾烈になってきています。戦略をもった取り組みをしない企業は、マーケットでの競争においても優位を保てず成長を維持出来ないケースがあることは当然なのかもしれません。
戦略をもったマーケット戦略を考えるにあたり、コトラーの競争地位戦略は知っておきたい戦略の一つです。
コトラーはシカゴ大学で経済学の修士号を取得した後、マサチューセッツ工科大学においては経済学の博士号を取得した経歴があります。コトラーは日本でも有名な経営学者で、彼の本は日本語にも多数翻訳されているため、ビジネスパーソンや学生の方の中には、彼の本を読んだことのある人も珍しくないかと思います。
コトラーの競争地位戦略とは1980年にコトラーが提唱した競争戦略のための理論です。コトラーの競争地位戦略は、企業のマーケットシェアに注目することで、企業を4つのカテゴリーに分類しています。戦略はそれらの分類により、異なった取り組みをすることが要求されています。
4つのカテゴリーの内、まず最初の分類は、「リーダー」となります。
リーダーはある業界における最大のシェアを持つ企業のことを言います。リーダーは一般的には、豊富な人材を確保し常にその業界をリードする存在です。リーダーに求められるのは、現状のマーケットのシェアの維持のほかにも、マーケットの拡大も重要な役割になります。市場全体を拡大するためには、リーダーは独自のブランド対策などを積極的におこなわければなりません。
次にくるのが「チャレンジャー」です。
チャレンジャーはリーダの次にくる企業となります。いわゆる2番手の企業のことを指します。リーダーに比べればあるマーケットにおける競争力は低いのですが、チャレンジャーがマーケットのシェアを伸ばすための方法としては、リーダーのマーケットのシェアを奪うことにあります。そのため、チャレンジャーはリーダーの弱みや不得意分野を分析することが、競争力を高めるためには必須です。
3番目は「フォロワー」に分類される企業です。
フォロワーは、経営資源が、量的にも質的も少ない企業のことです。シェアにおいてトップを狙うのには無理があるため、競合他社の戦略を模倣することが効率的な戦略になります。開発コストや生産コストを抑え、利益率を高めることは重要な戦略目標になります。
最後は、「ニッチャー」です。
ニッチャーの定義は経営資源が、量的には少ないけれども、質的に高い企業です。ニッチャーのおもな戦略は、ニッチ市場(すきま市場)における独自の地位を獲得です。製品の価格帯や流通チャネルなどを限定することでより専門的な取り組みが必要です。