コンドラチェフの波とは?

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コンドラチェフの波とは?

コンドラチェフの波とは

コンドラチェフの波とは、ロシアの経済学者コンドラチェフが提唱したことから命名された景気サイクルのことを言います。一種の景気循環というもので、およそ50年周期(実際には40年から70年のサイクルとされています)で起こると言われています。

「コンドラチェフの波」の周期の要因は、技術革新によるものとされています。ある分野で画期的な新技術が開発されると、それに伴った産業が急激に興り、様々な応用などから次々と新たな製品が開発され、市場に出回り、景気が高揚するというわけです。

しかし、そうして出現した新しい産業も、月日の変遷とともに飽和状態となって低迷期に入っていきますが、次の新たな技術革新が起こると、また再び景気が良くなるということとなり、それがサイクル化していくというものです。

「コンドラチェフの波」について過去を振り返って見ると、1800年過ぎに蒸気機関・紡績、1850年を過ぎた頃に鉄鋼・鉄道・電信、1930年の前後の頃に電気・自動車・化学・石油が登場し、2000年を迎えようというころにエレクトロニクス・原子力・航空宇宙が発展しています。これらは景気の大きな波と連動しているのですが、その元のうねりを作った技術革新が何であるかは、人によってとらえ方が多少違っているというものの、大きな視点からすると間違いのないうねりになっていると言われています。

そして、先行きの見通しとしては、2050年を超える頃に、大きな影響を与える技術革新として、ナノテクノロジー・ライフサイエンス・ICT/ビックデータ・ロボティクス・人工知能(AI)が牽引役を果たすものとされています。

こうしたところから、ビジネスにも大きな影響を与えるものとして、注目されている「コンドラチェフの波」ですが、実はその他にもいくつかの波があって、これらもビジネス上は参考にする必要があるとされています。

では他の「波」を見てみましょう。

まず、在庫投資が起因して、約40カ月で景気サイクルが起きるとされているのが「キチンの波」で、アメリカの経済学者であるキチン氏が唱えたところから命名されています。さらには、設備投資が起因するという約10年の周期としての「ジュグラーの波」(ジュグラー:フランスの経済学者)、そして人口の社会的増加とそれに伴って連動する住宅建設投資が起因して起きる約20年の周期としての「クズネッツの波」(クズネッツ:アメリカの経済学者)があります。

「コンドラチェフの波」については、複合的な技術革新が起きる可能性が高いので、一概に特定年数周期でのサイクルでの予想は難しいとされていますが、少なくともサイクルがあるということは間違いないでしょう。