コーホート分析とは
コーホート分析とは、行動や意識などからくる消費の動向、同じ時期に生まれた人の生活様式などを分析して調査することをいいます。
同じ時期に生まれて似たような体験をしている場合、物ごとに対する価値観などが、共通の意識や行動を指し示すことが多いということがわかっており、年をとって時代が過ぎても、意識に共通性がある場合があります。また、生まれた世代が近い人間は似ている傾向があることもわかっています。
コーホート分析は、長い期間にわたる市場データを分析する際に、違う視点から変化を見ることが出来る方法です。
時代の変化からくる要因を「時代効果」、年齢の変化による要因を「加齢効果」、生まれた年代による要因を「コーホート効果」と言いますが、この3つの視点から指標の変化の原因を探し出し、今後の予測などへつなげていきます。
また、コーホート分析は、こうしたデータを時系列で集めて、世代別にどのような変化があったのかを明らかにするという目的も持っています。
世代別の変化を明らかにすると、販売しようとする商品がこの世代に人気があるのか、どの世代に受け入れられるかなどの結果がわかるということになります。それによってターゲットの見直しや商品の今度の予測などにもつなげていくことが出来るのです。
実際にコーホート分析を行う方法としては以下の通り3つの方法があります。
1つ目は回顧的方法です。
これは、調査対象から得た本人の過去の行動や意識などについて、回顧的情報を分析するという方法です。回答者に質問をすることによって、各自の行動が数年前と比べてどのように変わったかということを聞き出します。量的な処理は難しいという問題点があります。
2つ目は標準コーホート表の読み込みです。
年齢別、時系列データを調査の時点での間隔と年齢区分の幅が一致するように配置した標準コーホート表を、縦(加齢効果)、横(時代効果)、ななめ(コーホート効果)と見て、考察を加えていく方法です。各効果の大きさを数量的に分離できるわけではないのですが、分析者が色々な仮説を立てながら分析を進めていくことができる柔軟性の高い分析方法になります。
3つ目はベイス型コーホートモデルです。
時代や年齢や世代というものの効果が急激に変化せずに徐々に変化するという、斬新的変化の条件と加え、隣り合う年齢区分と時代区分、世代区分のそれぞれの係数を自乗和が最小になるように決定する方法です。