現代企業に於いてはコンプライアンスが非常に重視されています。
企業の経営を安定させる為には従来の様に社会的信頼を得るための本来の事業の成果だけではなく、投資家を信頼させるための企業の経営管理や財務管理の正当性と安全性を維持することが非常に重要となっています。
特に特徴的な事として、投資家の変化に対する企業の重要性があります。企業の経営はその活動と共に投資家の信頼を得ることが重要になっていますが、近年は投資家に対して与えられる情報が非常に豊富で、株価の変動がリアルタイムで伝わる時代になっていることから、その影響で大きく株価が変動する事が少なくありません。
又、企業のさまざまなスキャンダルがリアルタイムに投資家に伝わってしまうことから株価も大きな影響を受けてしまうことになるのです。その為、企業に於いては社会的信頼や投資家の信頼を得るためにコンプライアンスの規範を定め、これにそって誠実に企業活動を行っていくことが重要になります。そのコンプライアンスの規範となる物として定められたのがコーポレートガバナンス・コードです。
コーポレートガバナンス・コードには5つの大きな柱が有ります。
株主の権利や平等性を維持すること、株主以外のステークホルダーとの調和を維持すること、適切な情報開示を行うことのほか、取締役会など企業の重要会議の責務を明確にすること、及び株主との適切な対話関係を維持する事です。
特に、株主との適切な対話関係を維持することは非常に重要視されており、適性な出資を行ってもらうための情報開示や取締役会の決議事項の設定などを行うことで、不適切な買収や株価操作などを防止するためのさまざまな方策を多方面から行うことが規定されています。
現代企業の企業活動は株主の投資に支えられていると言っても過言ではありません。しかし、最近の株主の投資傾向は非常に流動的で、短期間で大きく株価の変動を招き社会的信頼を失ってしまう企業も非常に多いため、その信頼を維持するためにはコーポレートガバナンス・コードを十分に理解し、その内容を経営方針に十分に盛り込むことが重要です。
企業の存在意義は社会的な貢献にあります。社会に役立つ生産活動を行うことが非常に重要ですが、その生産活動を支える株主に対する誠実な関係の維持も非常に重要なものです。コーポレートガバナンス・コードはこの株主との信頼関係を維持するために非常に重要なものであると言えるでしょう。