今回はネット集客をやっていく上で、業者も担当者も忘れがちな「成約率」について考えてみようと思います。
よくクライアント様から「ネット集客で重要な指標を教えて欲しい」と言われます。そんな時に持ち出すのが、この「成約率」です。
「えっ!?成約率って社内の営業セクションの問題だからネット集客には関係ないよね。」と返されますが、成約率も立派なネット集客を構成する要素の一つです。
例えて言うなら、あなたがコメ農家だったとします。田んぼに苗を植え、しっかりと手を掛けて稲を育て、一杯実をつけました。米を収穫したところ過去最高の収量でした。が、しかし、お米を倉庫に運ぶ際に担当者の不注意で少しこぼして無駄にしてしまい、さらに脱穀機に問題があり脱穀で商品にならないものが発生し、袋に詰めてみたら袋に穴が空いていて中身が漏れてしまい、残ったお米も担当が出荷するのを忘れて倉庫に寝かせっきりにしてしまいました。
あり得ないくらい酷い例ですが、これに近いことがネット集客の各ポイントで起こっていたとしたら、それは到底集客と呼べるような代物ではありません。
よくネット集客は種を植えて刈り取るまでのイメージで例えられますが、実際は刈り取って出荷する(出荷してお金に換える)までがネット集客で最も重要な部分なのです。
成約率が数%の状態では、穴だらけのバケツに高級なミネラルウォーターを入れるようなものです。成約率が極端に低い会社においては、いかに質が良いお問い合わせ(反響)を集めたとしても、ほとんどが売上にならず収益も当然上がりません。
そしてこんな状態は営業セクションだけの問題ではなく、会社全体の問題と認識するべきです。
成約率が低いなら、母数であるお問い合わせ数(反響数)をもっともっと増やせばよいと思われるかもしれませんが、無尽蔵の宝の宝庫に見えるネット上も売上に寄与していただけるような「良質の」お客様は有限です。
バケツの例で言うなら、穴だらけのバケツに高級なミネラルウォーターを入れるのが、穴だらけのバケツに普通の水道水をジャブジャブ入れるのに変わるだけで、バケツに残る水の量が増える訳ではありません。
むしろ集客コストや営業コストが高くなるだけで、経営効率は低下していくのが関の山です。
もし御社がネット集客で成功したいとお考えなら、ネットからのお問い合わせの率や数だけにとらわれず、ネットから集客したお客様予備軍をどう自社の売上につなげていくか、トライ&エラーを繰り返しながら向上させることにも留意していくべきだと思います。