バーナム効果とは
バーナム効果とは、血液型や占いによる性格診断などをまさに自分のことだと思い込んでしまうような心理的な現象のことを指します。そして、誰しもが、この「バーナム効果」の影響を受けています。
「認知バイアス(ある対象を評価する際に、自分の利害や希望に合致した内容に考えが歪められたり、対象の印象に引きずられて全体の評価が歪められる現象」と同様に「バーナム効果」は、思い込みや恐怖心から引き起こされる傾向が強いと言われています。
今回は、日常生活の中で生じる「バーナム効果」について具体例を挙げて、なぜ必要とされているのかを説明していきたいと思います。
多くの企業は商品やサービスの需要を高めるために、ある先入観を大衆に流し込みます。例えば、企業がコマーシャルを流して、なるべく人々に商品を見てもらおうと考えているのもそうです。
健康食品などのCMで「今健康だと思っているそこのあなた!実は危ないかも?」といった言葉を発したとします。このように言われると、健康な人でももしかしたら将来危ない病気にかかるのではないかという不安が出てきます。必ずしもそうではないのにも関わらず、ある先入観を他人から加えられると、不安になった経験が誰でもあるでしょう。
一見、「バーナム効果」は詐欺の手口のように感じることもありますが、実際に人々の不安を解消してくれる大きなメリットがあります。その代表的な例が、古来から存在する占いです。
不安な状態の中で、占いでこれからも元気でいられると伝えられれば、不安が少し和らぐ効果があります。また、神様や宗教の存在も、「バーナム効果」がもたらしたものです。古来日本からある神社で参拝をすれば受験に合格できるなどの期待が得られるのも、私たちが生活する上でのモチベーションにもつながります。
実際、臨床心理カウンセラーはこのような心理的な現象を利用して、精神的な病気を患っている方を援助するのに大いに貢献しています。
このように、あまり良くないイメージの強い「バーナム効果」ですが、長い人類の歴史の中で人々を不安から救う役割を果たしている一面もあります。