一将功成りて万骨枯る

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一将功成りて万骨枯る

一将功成りて万骨枯る(いっしょうこうなりて ばんこつかる)

古来より、人は自らの教訓を言葉で残し、古人の知恵や経験を「故事成語・ことわざ」として現代に伝えてきました。

その中から、時を超えて、人生に様々な示唆を与えてくれる「故事成語・ことわざ」を独断と偏見で選んでみました。きっとビジネスだけでなく、人生においても参考になるでしょう。

今回選んだのは、

「一将功成りて万骨枯る」

という中国 唐時代の曹松の詩「己亥歳」に由来する故事成語です。

「一将功成りて万骨枯る」とは

「一将功成りて万骨枯る」とは、

一人の将軍があげた功名の裏には、それを支える多くの兵士の犠牲があるということから「上に立つ人だけが手柄を挙げたとされ、他の人の苦労が報われないことを嘆く」意味の言葉です。

曹松の詩の原文(書き下ろし文)は、

巳亥の歳
沢国の江山 戦図に入る
生民 何の計あってか樵蘇を楽しまん
君にねがう 話る莫れ封侯の事を
一将功成って万骨枯る

となりますが、現代文に訳すなら、

豊かだった川も山も、みんな戦で荒れ果ててしまった。
民はどうやったら日々の生活を楽しめるのか。
誰かが王侯に封じられたという話は止めてくれないか。
一人の将軍が手柄を挙げた裏では幾万という人が犠牲になっているのだから。

といった感じでしょうか。

「上手くいけば自分のおかげ、失敗すれば部下のせい」という経営者や管理者を時折目にしますが、自分の成功の陰では「一将功成りて万骨枯る」ことが実際に起きていることに思いを馳せ、自分を支えてくれている人たちへの感謝の念を忘れないようにしたいものです。

 

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