一網打尽(いちもうだじん)

故事成語 故事成語・ことわざ

一網打尽(いちもうだじん)

一網打尽(いちもうだじん)

古来より、人は自らの教訓を言葉で残し、古人の知恵や経験を「故事成語・ことわざ」として現代に伝えてきました。

その中から、時を超えて、人生に様々な示唆を与えてくれる「故事成語・ことわざ」を独断と偏見で選んでみました。きっとビジネスだけでなく、人生においても参考になるでしょう。

今回選んだのは、

一網打尽(いちもうだじん)

という中国の古書「宋史」が出典の故事成語です。

「一網打尽(いちもうだじん)」とは

「一網打尽(いちもうだじん)」とは、
「敵や犯人を一度に全て捕らえること」という意味です。

では、出典となった「宋史」の一節を見てみましょう。

御史中丞王拱辰、素より衍等の為す所を便とせず。因って其の事を攻む。獄を置いて罪を得る者数人なり。拱辰喜んで曰わく、吾、一網に打ち去り尽くせり、と。

とあり、現代文に訳すなら、

宋の宰相であった杜衍の失脚を望むものは多かった。検察の次官であった王拱辰は、杜衍の親族の悪事を暴いて数人を逮捕した。その時、拱辰は喜び「犯人を一度に全て捕らえたぞ」と言った。

といった感じになります。

検察次官の王拱辰によって親族の数人を「一網打尽」にされた杜衍(とえん)ですが、杜衍自体は、事務処理能力も高く有能な政治家であったようです。しかし、派閥争いに巻き込まれ、わずか 70日ほどで失脚してしまいました。

有能であるがゆえに失脚する、あなたの会社でもそんなことが起こっていませんか?

 

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