当社が下請けでなく内製にこだわる訳

経営豆知識

当社が下請けでなく内製にこだわる訳今回は、中小企業にとっての下請けと内製について考えてみましょう。

当社はIT業ですが、かなり頻繁に「同業他社」からホームページやランディングページの制作依頼のお問い合わせをいただきます。

同業他社でも、自社の集客を強化するためにホームページやランディングページの制作を依頼されたのであれば、喜んでお受けするのですが、実際は、自社のクライアントから依頼を受注したものの制作ができず、外注先としてホームページやランディングページを作ってくれる業者を探している、といったことがほとんどで、そういった場合はお断りしてしまいます。

「依頼を受けたものの制作ができない」理由は色々あるかと思いますが、社内のリソースがない(そもそもリソース自体がない、もしくは、たまたまリソースが埋まっていてない)にもかかわらず、まずは案件を受けるだけ受けてしまって安い制作会社を探して依頼する、といったケースが多い気がします。

単純に言えば、仕事を受注して、業務ができそうな会社や個人事業主へ「下請けに出す」というわけです。

当社でも二、三度そういった「下請け」案件を請け負ったことがありますが、

  • 制作したい内容と料金がアンマッチ
  • 「伝言ゲーム」になることで制作の手間が非常に掛かる
  • 大元のクライアントのニーズに中間業者のバイアスが掛かる
  • 大元のクライアント、中間業者、当社のWebマーケターそれぞれの意思統一が困難

のような問題があり、大元のクライアントや中間業者の満足度は別にして、当社の側として集客面で結局満足のいくホームページやランディングページを制作することはできませんでした。

当社では、ホームページもランディングページもあくまで集客ツールであるとの考えで制作しますし、公式サイトやご紹介から当社へお問い合わせいただくお客様は「安価な集客ツール」としてホームページやランディングページを求めている場合がほとんどです。その意味では、ホームページやランディングページを制作する上での大まかなベクトルは同じと言えます。

しかし、間に同業他社を一つ挟む場合は、「デザインを単にカッコよくしたい」などベクトルは最初から異なっている場合も多く、当社が目指す「集客の提供」という目的とは程遠い結果となってしまいます。さらに、サービス基準が満たせないだけでなく、料金が中間マージン分高くなり、割高なサービスとなるわけですから、コストパフォーマンス的にもおすすめできません。

そして、この事はホームページやランディングページの制作だけでなく、リスティング広告(PPC広告)や SEO対策でも同様です。会社の提供サービスとしてリスティング広告(PPC広告)や SEO対策を謳っていても、その実、外注先にそのままスルーする業者は結構あります。

規格が決まった工業製品ならともかく、主観の入り込む余地のある商品・サービスの場合、間に人や企業が入って伝言ゲームを行っていては、良い商品・サービスの提供はできません。

お客様のニーズを直接把握し、そのニーズを叶えるためにお客様のご予算内で最善の提案を行うためには「下請け」や「外注」は阻害要因です。会社の規模が小さいと積極的に下請けや外注をすべきと考えている経営者も多いのですが、中小企業だからこそ、商品やサービスに磨きをかけ、川上から川下までワンストップのサービスを内製で提供することが必要なのではないでしょうか。