電通東大卒女性社員過労死を考える

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電通東大卒女性社員過労死を考える昨年の年末の話ですが、大手広告代理店の電通の女性社員が自ら命を絶ちました。東大を卒業し、入社9ヶ月で起きた事件でした。

この電通女性社員はインターネット広告を担当していたとのことで、近い業界にいるものとして、まず哀悼の意を捧げたいと思います。

その後、遺族が労災申請を行い、事件から約9ヶ月経った9/30に三田労働基準監督署が過労自殺として労災認定しました。三田労働基準監督署の説明によると、自殺をする直近の1ヶ月の残業時間は入退館記録によると約105時間だったとのことです。残業時間から見るに、かなり過酷な労働環境だったことがうかがい知れます。

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電通といえば、先般、ネット広告で633件、2億3000万円の過剰請求したという事件があったばかりで、電通自体に問題があるのか、あるいはネット広告業界自体の問題なのかわかりませんが、1991年にも電通は過労死(過労自殺事件)を起こしていますので、電通の企業風土に関わると見た方が良いのかもしれません。

さらに電通自体ではありませんが、電通系のイベント会社で大規模な食中毒事件を起こし、当ブログでも取り上げていました。

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今回の「電通東大卒女性社員過労死」について話を戻すと、この女性社員のものと思われるツイッターアカウントが残っており、1日20時間労働などの過酷な労働やパワハラ、睡眠時間が少なかったことなどがツイートされて残っていました。

以前であれば、関係者の間でひっそりと終わっていく事件だったかもしれませんが、SNS時代の今日では、当該の方の日々の状況について、亡くなって以降も誰もが見ることができ、さらに見た人がSNS上で拡散し、その情報はネット上で残り続けることになります。

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そういった意味では、1991年当時の「電通男子社員過労死事件」に比べて、今回の「電通東大卒女性社員過労死事件」で電通が受ける企業イメージ低下は、はるかに大きなものとなりそうです。

電通といえば、日本最大手の広告代理店として、就職ランキング上位の常連企業です。人気企業だから、広告業界だから、過酷な労働が許されるわけではありませんし、一般的な企業としてのコンプライアンス(法令遵守)がなされていき、今後、こういった痛ましい事件が繰り返されないことを切に望みます。